【顧客接点を無駄にしないための】カタログの再活用アイデア
皆様はマーケティングにはどのように関わっていますか?企業の担当者として?
それとも、一般消費者としてでしょうか?90年代から近年にかけ、多くのテクノロジー的な変化や情報接触形態の変化が多くの企業のマーケティング活動に影響を与えてきました。では、旧来から活用されてきたチャネルやコンテンツはどうでしょうか?おおよそ「活用されなくなる」傾向や「変わらない活用方法」といった傾向の二極化が大勢のように思います。今回は、旧来のチャネルやコンテンツのまま「WEB時代」に取り残されている「カタログ」を取り上げ、WEB時代型の活用方法のアイデアを考えたいと思います。
ターゲットの情報接触環境は生活の文脈によって常に変化する。
製品情報に接触できる環境は常に一定ではありません。
ターゲットの状況がどのような状況なのかによって選択されるデバイスが異なり、デバイスによって情報の閲読性も変化します。それは、ターゲットの環境に合わせたコンテンツづくりが重要であることを示します。
では、「いつ」読まれる想定でカタログは制作されているのでしょうか?
例えば、自身が展示会で受け取ったカタログでその後、じっくり読んだカタログはどれだけありますか?
もし「あまり読まなかった」「全く読まなかった」という回答なのであれば、それはカタログの内容がターゲットのタイミングやシチュエーションとマッチしていないからではないでしょうか?
例えば、「総合カタログ」や「製品カタログ」を全てのチャネルで同一の内容のみを提供し、その他の補足コンテンツや補足情報へのアクセス導線などが無いのであれば、それは問題ではないでしょうか?
カタログが読まれる環境を想定し、適切なコンテンツにしよう。
よくあるテクノロジーとの組み合わせとしては、以下のような内容ではないでしょうか?
「検索窓をデザイン的に設置し」
↓
「検索ワードを読ませて」
↓
「検索してもらう」
上記のようなことが可能な環境下で、そもそもカタログが読まれるのでしょうか?
カタログを読まれている方はどのようなシチュエーションでしょうか?
まずはカタログが読まれる環境を想定し、以下のような点を留意してみては如何でしょうか。
- カタログの情報量
- カタログからの導線
- カタログの種類毎に異なるパラメーターを発行
- カタログの種類毎に異なる電話番号を記載
これらの工夫により、ターゲットの動きを把握し検証することも可能になります。
カタログにテクノロジーを活用し、新たな導線を生み出そう。
あなたの企業のカタログには「二次元バーコード」は設置されていますか?
今回ご案内するアイデアは、費用も期間もかからずに手軽に始めることができるアイデアとして、二次元バーコードの活用をご案内します。
以下は、展示会などに設置する製品カタログ(リーフレット)を想定した内容です。
上記のように、二次元バーコードを活用することによって、モバイル端末からスムーズにカタログページへ誘導することも可能になります。
さらに、補足説明など、スペースの関係上、不足してしまった用語解説などにも活用ができ、担当へもモバイルデバイスから直接メールや電話で問合せすることも可能です。展示会中に商談機会を獲得する可能性も向上します。
また、地図情報を二次元バーコード化することで、スマートフォンの地図アプリを直接起動させ、ターゲットの会場へのナビゲーションをしっかりと提供することも可能になります。
この様に、テクノロジーに少しのアイデアを合わせるだけで、旧来から慣習的に活用していたコンテンツも新たなコンテンツおよびチャネルとして生まれ変わるのです。
【最後に】旧来のコンテンツをWEB時代型に生まれ変わらせるための基本発想。
企業はマーケティング活動の一環として、様々なコンテンツやチャネルを活用しています。
例えば、以下のようなチャネルやコンテンツがあります。
- PCサイト
- モバイルサイト
- マスメディア
- 印刷物
- イベント
- 電話
- 店舗
- DM
これらの中には、近年の急激なテクノロジーの進化によって増えたチャネルやコンテンツもあり、生活者の情報接触機会や接触態度にも変化があったことは、現在の社会を見れば容易に想像がつくかと思います。(但し、90年代生まれ以降には『変化』という感覚は無いかもしれませんが。)
企業は生活者の情報接触の多様化に応じるように、チャネルやコンテンツを多様化してきました。
しかし、多くの場合が生活者との接点に「合わせただけ」になっており、生活者にとって本当にメリットのある情報接触を提供できていない状況です。
なぜ、そのような状況なのか。
それは、以下の問いへの答えが表しています。
【質問】
企業は何故「PCサイト」を作ったのか?
何故「モバイルサイト」を作ったのか?
何故「ブログマーケティング」をやろうと思ったのか?
何故「ソーシャルメディア」を活用したのか?
上記はそれぞれWEB活用のトレンドともいうべき内容なのですが、企業は明確な目的や目標を持ってそれぞれの活用を決めたかというと、そうではなく、「他社がやっているからやろう」というのが基本的なスタンスだったように思います。(もちろん、そうではない企業の取り組みが常にトレンドを作り出していることも感じつつも、そのように思います。)
生活者の接点に「合わせる」だけではなく、それぞれのチャネルやコンテンツを組み合わせて、生活者の文脈に「沿った」コミュニケーションを設計し、KPIを明確にして取り組むことで、慣習的に利用してきた印刷物メディアなどの所謂レガシーメディアの活用方法にも新たな変化が生まれます。
しかし、それにはやはり「『点』ではなく『流れ』」「『枠』から『人』へ」という基本発想をマーケター個人が持たなければならないとも思います。
【今回のブログの内容はSlideShareでもご覧いただけます。】