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東南アジア3大ライブコマース体験レポート:TikTok Shop・Shopee Live・Lazada Liveを徹底比較

東南アジアのライブコマース市場をTikTok Shop、Shopee Live、Lazada Liveの比較を通じて徹底解説。成功のポイントと日本企業へのヒントも紹介します。

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東南アジア3大ライブコマース体験レポート:TikTok Shop・Shopee Live・Lazada Liveを徹底比較
10:52

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今、東南アジアでは、ECとライブ動画が融合した「ライブコマース」がかつてないほどの盛り上がりを見せています。さらに、TikTok Shopは2025年6月に日本でリリースされるという報道もあり、今後は日本でもますます注目が集まると考えられています。

今回は、クリスクの現地スタッフがマレーシアで実際に体験した TikTok Shop・Shopee Live・Lazada Liveの最前線をレポートしながら、それぞれの特徴や成功のポイント、日本企業が参入する際のヒントについてまとめました。

体験日:2025年3月27日(ラマダン期間中/ハリラヤ直前)

 

ハリラヤ直前の熱狂!現地で感じたライブコマースの“今”

イスラム圏最大級の祝日「ハリラヤ」を3日後に控えたこの日は、マレーシアのEC業界全体がセールとライブ配信で大いに盛り上がりました。

TikTok Shop・Shopee Live・Lazada Liveでは、大小さまざまなショップやライバーが次々と登場し、視聴者の熱気は想像以上。地元のパン屋さんが生地をこねて焼き上げる様子を配信したり、大手ブランドがスタッフを入れ替えながら24時間ライブで商品紹介を行ったりと、多様なスタイルが展開されていました。

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Shopee Liveでローカルのクッキー屋さんとパン屋さんが販売する様子。
コメント欄では「今買えばハリラヤに間に合う?」など質問が飛び交う。

 

なぜ、東南アジアでライブコマースはこれほど盛り上がるのか?実体験から見えた“6つの魅力”

現地でライブコマースに触れる中で、支持される6つの理由が見えてきました。

1. 24時間止まらないライブ配信

大手ブランドは交代制で絶えず配信。常に誰かがライブをしている状態が続いており、活気に満ちています。

2. 即レスの双方向コミュニケーション

 「商品の素材は?」「配送方法は?」といった質問がリアルタイムで飛び交い、ライバーがその場で丁寧に回答。疑問点をその場で解消できる安心感が人気です。

3. エンタメ性の高い“作業系ライブ”

人気ライバーの実演だけでなく、パンやクッキーの仕込みをライブで見せる配信も多く、ショッピング+エンタメとして楽しむ視聴者も増えています。

4. 多様な出店者との出会い

ローカルの個人店舗から大手ブランドまで幅広いセラーが参加しているため、さまざまな商品やサービスに出会えるのも魅力です。

5. 熱気あふれるコメント欄

「今購入したらハリラヤに間に合いますか?」「発送中に壊れない?」といった真剣な質問から、ときには「お兄さんイケメンだね」といったジョークまで飛び交い、コミュニティのような盛り上がりを見せています。

6. “身近さ”と“安心感”

配信中に梱包や休憩中の様子を見せるカジュアルなライブも多く、セラーと視聴者の距離感がぐっと縮まっています。
「このエリアなら店舗から近いのでお届けが早い」「(クッキーのような壊れやすい商品は)郵送だと割れるかもしれないが、ピックアップなら割れずに持って帰れる」など、リアルタイムで正直に伝える説明も信頼につながっています。

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(画像左)視聴者に「Ada Soalan? Tanya Saya(質問ある?聞いて!)」と呼びかけ、ライブチャットを活性化。
(画像中央)Lazada Liveで倉庫作業をそのまま配信。カジュアルな“ながらライブ”の一例。
(画像右)Shopee Liveで日本製スキンケア商品を紹介するライバー。

 

「TikTok Shop」「Shopee Live」「Lazada Live」それぞれの特徴は?

東南アジアのライブコマースを牽引する主要プラットフォーム、TikTok Shop、Shopee Live、Lazada Liveにはそれぞれ異なる特徴があります。自社に最適なプラットフォーム選びは、成功の鍵となります。

 

1. TikTok Shop

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【強力なレコメンド】アルゴリズムが購買意欲を刺激

FYP(For You Page)がユーザーの興味関心に直結するため、関連性の高いライブが次々とリコメンドされます。

【スムーズな導線】エンタメからの自然な購買

エンタメ性が高く、視聴者が動画を楽しみながら商品を購入できるスムーズな導線が強みです。

【新規参入の壁?】信頼性構築が重要

サービス対象国からは比較的簡単にセラーになれますが、レビューや販売実績が少ない新規セラーはユーザーに選ばれにくい傾向にあります。
ユーザーは購入前にアカウントの信頼性や商品のレビューを厳しくチェックするため、日本企業が「とりあえず」で開設したアカウントでは成果を出すのは難しいかもしれません。

 

2. Shopee Live

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【価格重視ならココ】圧倒的ディスカウント

割引、クーポン、コイン付与など、お得感が最大の魅力。価格に敏感なユーザーが多く集まります。

【玉石混交】セラー情報の見極めが必須

安価な商品が多い反面、低品質な商品も混在するため、ユーザーはセラー情報を非常に厳しくチェックします。

【信頼性の指標】Gold Class/Influencer タグ

信頼できるセラーを見分ける指標として、「Gold Class」や「Influencer」といったタグが参考にされます。

  • Gold Class: Shopee Liveで特に優れたパフォーマンスを出しているセラーに与えられる認定です。
  • Influencer: ゴールドに認定されたインフルエンサーによるライブ配信です。
  • Coins: ライブ配信中にShopee内で使用できるコインを獲得でき、購買意欲を高めます。

 

3. Lazada Live

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【安心感】公式ブランド・大手企業が中心

公式ブランドや大手企業の配信が多く、プラットフォーム全体の信頼性が高いのが特徴です。

【ブランド重視】大幅値引きは控えめ

Shopeeほど大幅な値引きは少なく、プロモーションよりもブランドの信頼性や価値を伝えることに重点が置かれます。

【中華系に強み】中国語配信が中心

中華系のセラーが多く、中国語での配信が中心のため、中華圏のターゲット層を持つ商品との相性が良いと考えられます。

【伸びしろ?】相対的な落ち着き

安売りや大型バウチャーの提供が少ないため、ShopeeやTikTokと比較すると現時点ではやや盛り上がりに欠ける印象があります。

【タブ構成】ユーザーの関心に合わせた設計

タブは「Following(フォロー中のアカウント)」「Explore(注目のライブ)」「KOL Pick’s(KOLのおすすめ)」が基本ですが、セール時には限定タブが追加されます。

 

ライブコマースにおける現地ユーザーのリアルな行動パターン

ライブコマースで購買を検討するユーザーは、以下のような慎重かつ合理的な行動をとります。

1. コメントで質問攻め

サイズ感、配送日、破損リスク、在庫状況など、気になる点はリアルタイムコメントで詳細に質問します。

2. レビューを必ず確認

購入前にレビュー数と評価を必ず確認し、商品の品質やセラーの信頼性を確認します。

3. 実績重視で新規セラーには厳しい目

購入実績が少ないセラーや、レビューが少ないセラーからの購入は避けられる傾向にあります。

 

サービス比較表

各ライブコマースプラットフォームは、ユーザー層や特性などにおいて大きく異なります。
TikTok Shop、Shopee Live、Lazada Live3サービスの特徴を以下にまとめました。

項目 TikTok Shop Shopee Live Lazada Live
月間ユーザー規模 2,868万
(TikTokユーザー数)
約5,858万訪問 約1,896万訪問
主な魅力 エンタメ性・関連性の高いFYP 圧倒的ディスカウント 信頼性
プロモーション ライブ限定割引多数 大型クーポン・まとめ買い 割引は控えめ
主な言語・属性 マレー語・中国語
比較的年齢層が若い
マレー語中心
価格重視
中国語中心
中華系中心

 

効果的な活用ポイントと見えてきたハードル

ライブコマースを効果的に活用するには、各プラットフォームの特性を理解し、最適化された戦略を実行することが重要です。

TikTok Shop

ショート動画広告で興味を引きつけ、ライブ配信へ誘導する流れが効果的。
エンゲージメントを最大化できますが、新規アカウントの信頼性構築が最初のハードルとなります。

もし新規参入するなら、「日本発!今月オープンの注目ブランド」など、新規参入であることを明確に伝える訴求が必要かもしれません。

Shopee Live

ハリラヤや独身の日といった大型セールイベントに合わせ、大胆なクーポンやバンドル販売と連動させることで、売上を伸ばせます。
Shopee Liveは商品数が非常に多いため価格競争に巻き込まれやすく、差別化には工夫が必要です。

Lazada Live

ブランドストーリーや製品のこだわりを丁寧に伝えるのに適しています。
信頼性を活かした高単価商品の販売に繋げやすいですが、ShopeeやTikTokほどの即時的な集客力は期待しにくいかもしれません。

 

まとめ:魅力と奥深さ、挑戦へのヒント

東南アジアのライブコマースは、単なるトレンドを超えた大きな可能性を秘めています。現地のユーザーが重視するのは「信頼」と「体験」。レビューや実績を地道に積み上げることが、無名ブランドにも大きなチャンスをもたらします。

一方で、プラットフォームごとの違いを正しく理解し、現地ユーザーのインサイトに寄り添った運用が求められます。自社でゼロから信頼を構築し、現地流を理解して売上につなげるには“奥深さ”と“乗り越えるべきハードル”が存在するのも事実です。

さらに詳しく知りたい方へ

東南アジア市場でライブコマース展開を本格的にお考えの方は、ぜひ最新情報や実践ノウハウをチェックしてみてください。
近日公開予定のホワイトペーパーでは、主要セール時期やTikTok Shopの成功戦略を詳しくご紹介します。
公開次第、本記事でもご案内しますのでお楽しみに!

クリスクでは、東南アジアのデジタルマーケティングに豊富な実績があります。具体的な戦略立案や現地最新トレンドを踏まえたご提案も可能ですので、ご相談はお気軽にどうぞ。

※本文内で引用されている資料・データ、登場する人物の所属名・役職名などは掲載当時のものです。

東南アジアにおけるSNSを活用したマーケティングをサポートします。お気軽にご相談ください。

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この記事を書いたのは

クリスク・ジャパン ディレクター
カナダの旅行会社のインターンで多国籍環境を経験後、Webマーケティング会社でデジタルマーケティングに没頭。メーカーでの貿易業務を経た後、マーケ×海外に取り組めるクリスクにジョイン。プライベートでも、スノーボードのインストラクターや日本語の講師として外国人と日々触れ合う。

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