本記事は8分で読めます。 2023年ベトナムのデジタルマーケ・トレンドを総括! ここ数年、企業のDX化が急速に進んでいる東南アジア市場。デジタルマーケティングがますます重要視される中、各国ではどのような戦略がトレンドになっているのでしょうか? 今回はベトナム編をお届けします。 クリスク海外事業部 最終更新日: 2024年1月10日 投稿日: 2024年1月8日 東南アジア ベトナム SNS・動画プロモーション インフルエンサー(KOL)マーケティング 越境EC 東南アジアのトレンドと日常 SNSでシェア/あとで読む この記事のURLとタイトルをコピーする デジタル経済が急速に進む東南アジア。ロンドンに拠点を置くソーシャルメディアエージェンシー「We Are Social」の調査によれば、2023年1月の時点でベトナムにおけるソーシャルメディアユーザーは総人口の71%に上っていたとのことで、市場ではデジタルマーケティングが欠かせないものとなっています。We Are Social & Meltwater (2023)、「DIGITAL 2023: VIETNAM」、 2023年2月13日より では、変化の激しいデジタル分野において、2023年のマーケティングではどのようなトレンドがあったのでしょうか。今回は、クリスク・ベトナム 現地スタッフのリエンとズンに、消費者側のトレンド、企業側の成功事例などを詳しく聞いてみました。 Facebook、YouTube人気は高止まりの一方、TikTokユーザーが急増! クリスク ベトナム国内でのデジタルマーケティング動向について詳しく伺っていきたいと思いますが、とりわけ注目されるSNSについて、2023年は何か動きがあったのでしょうか。 ズン ユーザー数上位3つはFacebook、Zalo(ベトナムのメッセージアプリ)、YouTubeとなっていますが、今年は少しシェアを減らしています。その一方で、伸びているのがTikTokです。 モバイルマーケティング協会Mobile Marketing Association(MMA)とDecision Labの調査では、2023年にはソーシャルメディア利用者のうちTikTokのユーザーは65%を超えています。 引用元:The Connected Consumer The tight race for the food delivery crown ※要登録 / グラフはクリスク再編集 リエン 16〜25歳では81%、26〜41歳では71%と、とりわけ若年層でTikTokユーザーが増えていますね。 今はTikTokやFacebookの動画など再生時間の短い動画の人気が高く、マーケティングでも注目度が高まっています。 ズン 実際、SNSの中でも音楽や動画に着目したエンターテイメント・プラットフォームのトップ3について、最も頻繁に見るものを聞いた調査でも、動画再生時間の短いFacebookやTikTokは伸びているのに対して、YouTubeは減少していることがわかります。 動画・音楽視聴で最も使用するアプリ・サイト YouTube TikTok Facebook 60% 17% 14% -4% +4% +1% 引用元:The Connected Consumer The tight race for the food delivery crown ※要登録 / 表はクリスク再編集 クリスク 動画はどのような内容が人気なのですか? リエン 特徴的なものだと、何かの情報や知識を伝える、マイクロラーニングですね。パソコンを使う人も増えていて、ExcelやWord、Photoshopといったソフトを使うときに、動画からヒントを得る人が多いです。 ズン それから、ブランドの情報を発信するチャンネルや、ECサイトの使い方や変更点を説明するチャンネル、商品レビューなどの閲覧数も伸びています。人気CMの制作の舞台裏を写した動画も話題になったりしています。 クリスク なるほど、動画から学んだり、商品を買うときの参考にしたりと、実用的に使っている人が多いということですね。 ECサイトもTikTok Shopが急伸 クリスク ECサイトの売上も伸びていると思いますが、具体的にどのような変化があったのでしょうか。 ズン 確かにここ数年、ベトナムのEC市場は年間20%前後成長していると報じられていますね。 リエン おそらく、アプリ決済のシステム導入が進んで、決済方法が簡単になったのが急成長した要因ではないかと思います。 ズン 2023年に伸びたECサイトも、TikTokと言えるかもしれません。 先ほどのMMA・Decision Labによる調査でも、最も利用するECショップはどこかという質問にTikTok Shopと回答した人が、42歳以上の世代ですら6%に上っています。 クリスク 他のECプラットフォームと比較して、TikTok Shopの特徴は何でしょうか。 ズン ベトナムでよく使われているShopeeやLazada、Tikiと比較して、TikTok Shopでは美容アイテムや女性向けアパレルが売れています。反面、日用品や雑貨の割合は低いですね。 実はベトナムの美容アイテムや洋服は輸入品も多く、日用品に比べると値段も高めです。動画から購入までの動線がスムーズな上に、高価格帯の商品が売れているTikTok Shopは、他のプラットフォームには脅威に映っているかもしれませんね。 リエン TikTokではライブストリームを見て商品を買うことが多く、インフルエンサーが化粧品を使いながらレビューしたり、実際に洋服を着て見せたりする動画をよく見ます。 エンタテインメント性を持たせつつ、視聴者とインタラクティブにコミュニケーションをとりながら自然な商品PRをするので、購買力が高まるのだと思います。 クリスク 動画を見ながらほしいと思ったらすぐに買えるんですか? リエン はい、ライブからすぐにショップに飛べるので、スムーズに購買できます。TikTokショップは楽しい動画を見ながら気軽に買い物ができるという感じですね。 ちなみに、電子決済アプリとしてはMoMoがベトナム最大手です。 「売れる」インフルエンサーの傾向は変わった? クリスク インフルエンサーについても詳しく聞きたいのですが、2023年ならではの変化はありましたか? リエン 大きな変化はなかったと思います。 ベトナムでのインフルエンサーマーケティングの特徴としては、100万フォロワーなど超有名なインフルエンサーでなくても、1〜数万人のインフルエンサーが数多く活躍していますね。 視聴者とのエンゲージメント構築に欠かせないのはライブ配信ですよね。トップインフルエンサーが手がける有名ブランドの案件は、条件設定が細かくて自由度が高くない傾向があります。 一方、数千フォロワーのインフルエンサーたちは、そこまで有名でないブランドの案件をどんどん手がけています。 クリスク そのプラットフォームがFacebookやTikTokになっているわけですね。 ズン 企業も一度に複数のインフルエンサーと契約して、一気にコラボ動画を配信する手法をとることが多いです。 クリスク 同じ商品でもたくさんのインフルエンサーが手がけていると、目に留まる確率が高くなるということですね。 では、PR動画かどうかに関わらず、今ベトナムで流行しているコンテンツはありますか? リエン 最近はラップミュージックがブームになっています。ラップバトルのテレビ番組も人気で、急に有名人になったラップシンガーもいます。 クリスク そうした人気コンテンツも取り入れながら、ショート動画を使ったSNSマーケティングをしていくのが成功のヒントになりそうですね。 ありがとうございました! まとめ スマホを使い、旧来のECサイトからだけでなくSNSアプリからも気軽に買い物をする消費者が増えているベトナム。SNSにおいては、TikTokが急成長している結果、依然としてユーザー数の多いFacebookやYouTubeも微減の傾向を見せ始めています。今後ベトナム市場で特に20〜30代をターゲットにするのであれば、急成長中のTikTokも視野に入れることが必要なのかもしれません。 また、ライブストリーミングを活用するのであれば、消費者に身近なインフルエンサーたちにレビューしてもらったり、ライブ中に視聴者の質問に答えていくようなインタラクティブな形式を重視したりと工夫しながら、親近感や気軽さを出していくこともポイントとなりそうです。 クリスクでは、現地スタッフによる各国の調査を踏まえたWebマーケティングをご提案しています。もしSNS運用やWeb広告運用の案件があれば、お気軽にお声がけください! ※本文内で引用されている資料・データ、登場する人物の所属名・役職名などは掲載当時のものです。
2023年インドネシアのデジタルマーケ・トレンドを総括! 東南アジア インドネシア SNS・動画プロモーション インフルエンサー(KOL)マーケティング 越境EC 東南アジアのトレンドと日常 クリスク海外事業部 2023年12月26日