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ベトナムで売れているor失敗している日本製品は?越境ECマーケティング事例

経済成長やIT化が急速に進んでいるベトナムでは、各国の企業がEC市場への進出を狙っています。日本企業がこれからベトナムのEC市場に乗り出し、成功していくためには、どんなことが重要なのでしょうか。これまでの実例を振り返りつつ、探っていきます。

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ここ10〜20年で急速な経済成長を見せているベトナム。ベトナム統計総局によれば、2023年の実質GDP成長率は前年比5.05%と、政府目標には届かなかったものの好調な結果となっています。

中でもEC市場の伸びは大きく、ベトナム電子商取引協会(VECOM)によれば、2022年の市場規模は対前年比で20%以上拡大して64億ドル。2025年には300〜430億ドルに達するとも予測されています。

このベトナムEC市場を狙って進出する日本企業も増えてきていますが、実際に現地ではどんな日本製品が売れているのでしょうか。また、進出するもなかなか成果の出せていない製品にはどんなものがあるのでしょうか。クリスク・ベトナムのリエン、ズンに聞いてみました。

 

日本メーカーでは化粧品が好調、ただし今後は競争も激化しそう!?

クリスク
クリスク

まずベトナムEC市場の基本を押さえておきたいと思います。主要ECプラットフォームから教えてください。

リエン
リエン

Shopee、Lazada、Tikiが主要となりますが、最近は若い世代を中心にTikTok Shopを使っている人も多いです。私の周りでは、TikTok Shopを使っている人がほとんどになってきました。

クリスク
クリスク

ECショップには、やはりインターネット広告から誘導されるケースが多いのでしょうか。

リエン
リエン

FacebookやTikTokなどSNS上の広告、あるいはインフルエンサーを使ったマーケティングがポイントとなりますね。

クリスク
クリスク
ネット上でよく見る広告だと、どんな商品が多いのでしょう。
ズン
ズン

ビールの広告は多いです。ベトナムはアジアの中でもビールを飲む人が多いので、ハイネケン、タイガー、それからベトナムビールだとビアサイゴンなどの広告は頻繁に目にします。

音楽イベントでもビールの企業が出店したりスポンサーになったりすることが多く、Lazadaの周年記念の音楽イベントでも目立っていました。

クリスク
クリスク
そこに日本企業のビールは出ていないのですか?
ズン
ズン

日本のビールはまだそこまで進出していないですね。

よく知られている日本のメーカーだと、化粧品が多いと思います。たとえば、資生堂の日焼け止め「ANESSA」は有名で、使っている人も多いです。

リエン
リエン

ベトナムは紫外線が強いので、日焼け対策は必須なんですよ。バイクに乗るときも顔を布で覆う「忍者スタイル」の人が多いです。

ズン
ズン

ただ、ANESSAは数年前まではみんな使っていた印象ですが、最近は他国のメーカーも認知度や売上を上げてきています

インフルエンサーマーケティングだと、KOL(Key Opinion Leader)、KOC(Key Opinion Consumer)の成果報酬が高かったのが、フランスのメーカーの日焼け止めだったという話もあります。

クリスク
クリスク

数年前までの認知度だけに頼らず、EC市場やSNS市場の急拡大とともに、マーケティングも常に動向を見て工夫していかないといけないというわけですね。

ネット上での露出度のほか、インフルエンサーの起用も有効

クリスク
クリスク

では、ベトナム国内でマーケティングに成功している日本企業だと、どこになるのでしょうか?

ズン
ズン

代表的な企業としてはユニクロです。ベトナムでは2019年12月、ホーチミンに1号店がオープンしてから店舗拡大を続けて、現在では22店舗となっています。

Facebook広告やネットメディアの記事広告を多く出していて、SNS上の広告で求人情報も出していました。

リエン
リエン

ユニクロはもともとベトナム出店前から知られていて、友達が日本にいれば「買ってきて」とお願いする人も多かったんですよ。つまり、出店前からインターネットを通じてマーケティングに成功していたわけです。

クリスク
クリスク

それだと、2019年の出店時は話題を呼んだでしょうね。

リエン
リエン

そうですね。主要ニュースサイトにも頻繁に取り上げられていて、店舗面積や内装、商品ラインナップ、販売価格など詳しい情報が書かれるたびに話題になっていました。

ズン
ズン

「誰でもオシャレになれる」というスローガンで、インフルエンサーやライター、サッカー選手などさまざまなジャンルの人とタイアップして動画も出していましたね。

クリスク
クリスク

実際、現地の店舗にはお客さんがたくさん来ていますか?

ズン
ズン

印象的だったのは、並んでいるお客さんに水やお菓子を無料で出していたことです。ベトナムではそういうお店はそれまでなかったので、そうしたホスピタリティも話題になっていたように感じます。

クリスク
クリスク

ユニクロのベトナム国内でのマーケティングは、2019年以降同じやり方なのでしょうか。

ズン
ズン

基本的には、店舗オープン前にインターネット上にたくさん情報を出して注目を集める形ですね。人気商品や新商品をFacebookなどのSNS上に投稿して、そこに一般ユーザーが「これ買いました」とコメントして盛り上がるという感じです。

リエン
リエン

2023年11月にハノイ店がオープンしたときには、有名なインフルインフルエンサーとコラボして来店してもらい、YouTube動画や彼のFacebookアカウントからの投稿なども出していました。

インフルエンサーを使ったマーケティングは2019年のときと比べて増えているように思います。

クリスク
クリスク
やはり、SNSを使ったマーケティングが重要視されているようですね。

技術面でのアピールよりも、個性や安全性が注目されるように

クリスク
クリスク

他に、日本企業で人気を集めているところはありますか?

リエン
リエン

無印良品も人気ですよ。

ズン
ズン

ベトナムでは、インフルエンサーや有名人を使った商品PRが大半になってきているところ、無印良品の場合は、人物を使わず商品のみにフォーカスして洗練されたデザインの広告が多いですよね。そこに新鮮さや個性を感じる人も多いと思います。

リエン
リエン

すごく積極的にキャンペーンを売っているという印象でもないですが、目を引きますよね。ANAとコラボして、商品を買うと航空券があたるキャンペーンがあったと思うんですが、そういったお得なキャンペーンの打ち方も上手だと思います。

クリスク
クリスク

無印良品の商品は、みなさんネットで買うことが多いですか?

ズン
ズン

Shopee Mallにも出店していますが、ネットショップ上では商品の種類が限定的で、実際の店舗に行かないと買えないものも多いです。なので好きな人は実店舗とネットショップの両方を使っています。

クリスク
クリスク

少し前までは、日本製品では家電も人気だったと思うのですが、今はどうなのでしょう。

ズン
ズン

韓国や中国のメーカーも安くて品質のいいものを出してきているので、以前ほどの人気はなくなってきています。

日本製品が人気を保っているジャンルだと、やはり化粧品ですね。あとは、おむつやミルクなどのベビー用品も人気が高いです。

リエン
リエン

日本製品は安全性が高いというイメージがあるので、安全性が重視されるものは人気ですよね。

クリスク
クリスク

なるほど、肌につけるもの、赤ちゃんが体内に入れるものなどですからね。

思い込みやひと昔前の情報で判断せず、現地の肌感覚についていくことが大事!

クリスク
クリスク

逆に、うまくいかなかった印象のある日本製品はありますか?

ズン
ズン

ちょっと過去の話になってしまうのですが、2002年にとある日系メーカーがベトナムでシャンプーを展開しようとしたものの、メッセージがベトナム人にはわかりづらくて売れなかったことがあります。

クリスク
クリスク

まだSNSはない時代ですね。

ズン
ズン

はい。ただ、海外に商品展開する場合には、どんな特徴や個性のある商品なのか、その国の人にわかりやすいメッセージを出すことが重要ですよね。

このシャンプーの場合は、butterfly pea flower(バタフライピー)の香りと書いてあったのですが、ベトナム人はその花を知らず、イメージができなかったんです。

クリスク
クリスク

調べてみると、東南アジア原産の植物のようですが……。

リエン
リエン

でも聞いたことはありませんね。

ズン
ズン

東南アジア原産だから、ベトナム人には刺さると思われたのかもしれないんですが、みんな知らないんですよ……。

また、他の競合ブランドは自社の強みや個性をわかりやすく打ち出していたのに対して、この商品のときには香りの他は「髪がきれいになります」くらいのメッセージしかなく、ベトナムではウケなかったんです。

クリスク
クリスク

日本企業に限らず、海外企業で失敗した例が他にあれば教えてください。

ズン
ズン

敗因は、進出した頃には競合会社がすでにたくさんあったからだと思います。また、他のデリバリーサービスはフード以外の機能もありますが、BAEMINは食べ物だけだったので、使い勝手が悪い印象もありました。

リエン
リエン

ベトナムでは食べ物から日用品まで、アプリで簡単に電子決済してデリバリーしてもらうという文化が日本よりも根付いていて、多くの企業が進出していますから、競争は厳しいです。各社、お得なクーポンキャンペーンを頻繁に打つなど工夫していますね。

クリスク
クリスク

ネットユーザー、スマホユーザーが急速に増えて、消費者の行動も変化が大きいため、数年前の常識にとらわれないことが大切ということですね。よくわかりました、ありがとうございました!

まとめ

市場のDX化が本当に急速に進んでいるベトナムでは、「今、何が求められているか」「今、新鮮なものは何か」を常にチェックしておかないと、進出した頃にはついていけなくなっている可能性があるかもしれません。

一方、現地の情報をしっかり収集して顧客からの信頼を得ていくには、インターネットを活用してこまめに情報発信していくことや、SNS上でユーザーの声を拾い上げていくことがポイントになりそうです。

クリスクでは、現地スタッフによる各国の調査を踏まえたWebマーケティングをご提案しています。もしSNS運用やWeb広告運用の案件があれば、お気軽にお声がけください!

※本文内で引用されている資料・データ、登場する人物の所属名・役職名などは掲載当時のものです。

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タイ、ベトナム、シンガポール、インドネシア、マレーシア…etc.東南アジアを中心とした地域でのプロモーションを実施しています。

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この記事を書いたのは

東南アジア・東アジアのマーケティングに携わり12年!
タイから始まりベトナム・マレーシア・インドネシアにもオフィスを構え、現地メンバーと日本のディレクターチームとで東南アジア・東アジアでの集客・プロモーションを支援しています。

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