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タイ人観光客が“次の日本”を見つける時代へ。地域連携で広げる日本の魅力とは【訪日外国人分析】

タイ人観光客は「自然・日本食・ショッピング」を求めて訪日しています。地方自治体や地域企業が連携し、“地域体験”として発信する重要性を、SNS拡散の視点から解説します。

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タイ人観光客が“次の日本”を見つける時代へ。地域連携で広げる日本の魅力とは【訪日外国人分析】
12:21

訪日観光客がハマる、新たな日本

こんにちは!クリスク・アジア編集部です。

タイ人向けに訪日プロモーションを行う際、「どんなテーマを打ち出せば興味を持ってもらえるのか」と悩む地方自治体や観光事業者の方は多いのではないでしょうか。

実は、タイ人観光客が日本旅行に求めているものには、かなり明確な傾向があります。クリスクタイの現地スタッフに対して実施したアンケート調査を見ると、日本でやりたいこととして、

  • 約91.7%が「自然・絶景鑑賞」
  • 約83.3%が「日本食」
  • 約83.3%が「ショッピング」

を選択しています。

つまりタイ人旅行者は、“景色を見るだけ”の旅を求めているわけではありません。美しい自然を見て、その土地ならではの食を楽しみ、最後に買い物まで満喫する。そうした「旅全体の体験」を求めて、日本を訪れているのです。そして今、タイでは、その“地域体験”をSNSで発見し、拡散する力が非常に強くなっています。

以前であれば、海外旅行先として選ばれるのは東京・大阪・京都といった定番エリアが中心でした。しかし最近は、タイ人旅行者自身がSNSを通じて、“まだ知られていない日本”を発掘し始めています。

地方の温泉街。ローカル線の駅。古民家カフェ。道の駅。小さな商店街。

こうした場所が、「日本らしい」「行ってみたい」とSNSで共有され、新たな観光地として広がっていくケースが増えています。ここで重要なのは、単に「絶景がある」だけでは広がりにくいという点です。

タイ人旅行者が惹かれているのは、

  • 自然
  • 日本食
  • ショッピング

がつながった、“地域で過ごす時間”そのものです。

だからこそ今後の訪日プロモーションでは、「観光地単体」ではなく、“地域全体をどう体験として見せるか”が重要になってきます。

この記事では、

✔ なぜタイ人は地方の新スポットを発掘するのか
✔ SNSで広がる地域に共通する特徴
✔ 「自然・食・買い物」が重要な理由
✔ 地域企業同士が連携すべき背景
✔ タイ人向けに必要な発信設計

について、東南アジア市場の現場視点から解説していきます。

 タイ人は次の日本を探す       

訪日タイ人が非常に特徴的なのが「まだ知られていない場所」への関心です。

その象徴的な事例のひとつが、山梨県富士吉田市にある「新倉山浅間公園(新倉富士浅間神社)」です。五重塔越しに富士山を望む、あの有名な景色です。

いまでは“日本を代表する絶景”として世界中で知られていますが、実はこの場所、タイ人観光客のSNS投稿をきっかけに、一気に注目が広がったスポットのひとつでもあります。「富士山と京都みたいな景色が一緒に見える」「これぞ日本らしい風景」そんな投稿がInstagramやFacebookで拡散され、“次に行きたい日本”としてタイ国内で話題になりました。興味深いのは、最初から大規模な広告施策があったわけではないことです。タイ人旅行者自身がその場所を見つけ、写真を撮り、SNSで共有し、“新しい日本”として広げていったのです。

そして、この現象は新倉山浅間公園だけではありません。最近では、「みんながまだ知らない日本」「SNSで偶然見つけた日本」「ローカル感のある風景」を探す動きが、タイでは強くなっています。つまり今の訪日タイ人は、“有名観光地だから選ばれる”とは限りません。むしろ、「その地域でどんな時間を過ごせるか」が、旅行先選びの重要な基準になっているのです。  

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 SNSで探される新たな日本         

では、SNS拡散されやすい地域には、どんな共通点があるのでしょうか。実際にタイ人旅行者の投稿を見ていると、ひとつ大きな特徴があります。

それは、“景色だけで終わっていない”ことです。

たとえば、新倉山浅間公園の写真が拡散された背景にも、単に「富士山がきれい」というだけではない魅力がありました。

富士山を見る。そのあと富士吉田の街を歩く。ほうとうを食べる。お土産を探す。温泉へ行く。そうした“旅の流れ”まで含めて、「日本らしい体験」として消費されていたのです。これは、今の訪日タイ人を理解するうえで非常に重要なポイントです。タイ人旅行者は、「どこへ行くか」だけではなく、「そこでどんな1日を過ごせるのか」を見ています。

実際、SNSでも反応が大きい投稿は、単なる観光地写真ではありません。

「朝は湖で富士山を見て、昼は地元カフェへ。帰りに道の駅で限定スイーツを買った」というように、“体験の流れ”が見える投稿ほど保存・共有されやすい傾向があります。

日本側の観光PRでは、

  • 絶景
  • 温泉
  • グルメ

などを、それぞれ単独で発信するケースが多くあります。ですが訪日タイ人の価値観では、それらが“つながっていること”に価値があります。

つまり、「景色を見るために行く」だけではなく、「景色を見て、美味しいものを食べて、買い物まで楽しめる」ことが、旅行先選びの決め手になっているのです。

 

 自然・絶景鑑賞の先に         

ここで、地方側が一度立ち止まって考えたいことがあります。

それは、「絶景があるだけでは、旅行先として選ばれにくくなっている」という点です。もちろん、タイ人観光客の約91.7%が「自然・絶景鑑賞」を求めているのは事実です。ですが実際には、“景色だけ”で旅先を決めているわけではありません。

たとえば、SNSで美しい写真を見つけたとしても、「近くに何がある?」「食事は?」「ショッピングできる?」「1日過ごせる?」という情報が見えなければ、“行ってみたい場所”にはなりづらいのです。逆に、訪日タイ人の間で人気が出やすい地域には、“景色の先”があります。

たとえば北海道です。ラベンダー畑の写真だけが人気なのではありません。

そのあとに、

  • 海鮮を食べる
  • ソフトクリームを食べ歩く
  • 道の駅へ寄る
  • 温泉へ入る
  • お土産を探す

という“体験の連続”があることで、「北海道旅行」が完成しています。つまり、自然は“入口”に過ぎません。

その入口の先に、

  • 買い物
  • 街歩き
  • 温泉
  • ローカル体験

がつながっていることで、初めて“旅行先”として魅力が強くなります。      

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 アニメ・映画を想起する風景        

訪日タイ人の間で広がっているのは、必ずしも“特別な観光地”だけではありません。むしろ最近は、日本人にとって何気ない風景が、「日本らしい」として人気になるケースが増えています。

雪が積もるローカル駅。昔ながらの商店街。古い喫茶店。静かな住宅街。田んぼの横を走る電車。

日本人からすると、“当たり前の景色”かもしれません。ですが、タイ人旅行者にとっては、それが「日本でしか見られない風景」になっています。

実際、タイ人ユーザーのSNS投稿を見ていると、

「アニメみたい」「映画のワンシーンみたい」「こういう日本を見たかった」

というコメントが非常に多く見られます。

興味深いのは、“完璧に観光化された場所”よりも、少し生活感が残っている場所の方が反応が良いケースもあることです。つまり訪日タイ人の間では、“リアルな日本”そのものがコンテンツになっています。   

 地域連携が鍵になる         

ここまで見てきたように、タイでは「地域全体の体験」が評価されています。

そして、その体験はひとつの事業者だけでは作れません。絶景スポットがあり、魅力的な飲食店があり、歩きたくなる商店街があり、最後にお土産を買える場所がある。それらが自然につながることで、“また行きたい旅”になっていきます。

ここで、地方自治体や地域企業が考えたいのが、“競争”ではなく“共創”です。

観光地は観光地だけで発信する。飲食店はグルメだけを訴求する。商店街は買い物だけをPRする。

もちろん、それぞれの努力は重要です。

ですが訪日タイ人向けでは、その分断が見えてしまうと、“旅のイメージ”が作りづらくなります。

逆に、「この景色を見たあと、ここでランチ」「帰りにこの商店街へ」「夜はこの温泉宿へ」

というように、地域内の体験がつながっていると、一気に旅行イメージが具体化します。これは単なる回遊施策ではありません。“地域全体をひとつのコンテンツとして見せる”という考え方です。

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 想像できる旅を発信する 

では、これから地方自治体や地域企業は、どのように発信していくべきなのでしょうか。ひとつ大きなポイントになるのが、“情報を並べる発信”から、“旅を想像できる発信”へ変えていくことです。たとえば、

朝、静かな湖畔で富士山を見る。昼は古民家カフェで休憩する。夕方は商店街を歩きながらお土産を探す。

こうした流れが見えるだけで、“自分がその場所にいる感覚”が生まれます。タイ人旅行者は、この「想像できる旅」に強く反応しています。

しかも重要なのは、“感情”まで設計することです。

  • 静かに癒される旅
  • 家族で楽しむ旅
  • 写真を撮りたくなる旅
  • ローカル文化を感じる旅

そうした“気持ち”が見える地域ほど、SNSで共有されやすくなります。

そして、その感情を作るのは、ひとつの観光地だけではありません。

地域の飲食店。宿泊施設。商店街。交通機関。地元の人との接点。

それらすべてが重なって、“また行きたい地域”が作られていくのです。

 まとめ

新倉山浅間公園が世界的な絶景スポットとして広がった背景には、タイ人旅行者によるSNS拡散の力がありました。

そして今、タイ市場では、“まだ知られていない日本”を探す動きが加速しています。

その中で重要なのは、単なる観光スポット紹介ではありません。

  • 自然を見る
  • 地元の食を楽しむ
  • 商店街を歩く
  • 地域限定の商品を買う

という、“地域全体の体験”です。

だからこそ地方自治体や地域企業には、「単独で発信する」のではなく、「地域で魅力をつなぐ」視点が求められています。

タイ人旅行者は、次の日本を探しています。その“次の日本”になる地域は、もしかすると、まだ海外で知られていない地方の町なのかもしれません。 

 

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この記事を書いたのは

東南アジア・東アジアのマーケティングに携わり15年!
タイから始まりベトナム・マレーシア・インドネシアにもオフィスを構え、現地メンバーと日本のディレクターチームとで東南アジア・東アジアでの集客・プロモーションを支援しています。

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