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ゴールデンルートの次は?訪日4回以上で変わる日本の魅力は地方・アート・島へ分散する時代に【訪日外国人調査】

訪日リピーターが探す次に行く理由とは。有名都市でなくても体験の設計次第で地方誘致は十分に可能です。インバウンド戦略の成功を握る言語化の重要性に迫ります。

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ゴールデンルートの次は?訪日4回以上で変わる日本の魅力は地方・アート・島へ分散する時代に【訪日外国人調査】
13:03

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こんにちは!クリスク・アジア編集部です。

訪日観光において「ゴールデンルート(東京・大阪・京都)」は、いまもなお王道の旅行ルートです。しかし、訪日回数が増えたコアリピーター層は、次にどこを目指しているのでしょうか?気になる方も多いのではないでしょうか。

今回は、クリスクタイで実施した訪日タイ人アンケートにおいて、訪日4回以上のコアリピーターに絞って、「次に行きたい場所」等をヒアリングした結果について分析していきます。実に、“リアルな関心の分散”という興味深い兆しが見えてきました。

この記事にはこんな内容が書かれています
✔ 訪日コアリピーターの「次の行き先」はどこに向かっているのか?
✔ コアリピーター達からでる“地方志向”の兆し
✔ 地方自治体が取るべき具体的なプロモーション戦略

この記事を読めば
・コアリピーター層の意思決定の変化が理解できます
・地方観光の新しい勝ち筋が見えてきます
・限られたデータを施策に活かす考え方がわかります

「コアリピーターはどこに行きたがっているのか?」「地方はどう狙うべきなのか?」
そんな疑問に対して、データと現場感の両面から解説していきます!

 ゴールデンルートは一周目      

訪日観光といえば、まず思い浮かぶのが東京・大阪・京都を巡る「ゴールデンルート」です。初訪日や2回目までの旅行では、このルートを中心に観光・買い物・グルメを楽しむケースが多く、いわば“日本観光の入口”として機能しています。

一方で、訪日回数が増えたコアリピーター層になると、この構造に変化が生まれます。すでに主要都市を訪問済みであるため、「次はどこに行くか?」という視点で旅先を考えるようになるためです。

コアリピーターの中には、「2回目以降は“人と違う場所”を探す人が多いです」という声も見られます。これは単なる嗜好の変化ではなく、SNS環境の変化とも密接に関係しています。

InstagramやTikTokでは、有名観光地の情報はすでに出尽くしており、「まだ知られていない場所」や「自分だけの体験」が価値として求められるようになっています。

その結果、ゴールデンルートは“満足して終わる場所”となり、その先にはテーマ性のある旅が求められるようになっています。  

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 行き先はテーマで分散       

今回のアンケートでは、訪日4回以上のコアリピーターに「次に行きたい場所」をヒアリングしました。その結果、「直島・豊島」「福岡」「沖縄」と、回答は見事に分散する形となりました。

注目すべきは、これらがすべてゴールデンルート外であること、そしてそれぞれに明確な“体験テーマ”がある点です。

  • 直島・豊島:アート・文化体験
  • 福岡:ローカル都市・グルメ体験
  • 沖縄:自然・リゾート体験

つまりコアリピーターは、「人気の場所」ではなく、体験を軸に旅行先を選んでいると考えられます。

この“テーマ起点の意思決定”こそが、行き先の分散を生んでいる要因です。

 分散は地方のチャンス       

この関心の分散は、地方にとって大きなチャンスでもあります。

これまでの訪日観光では、東京・大阪・京都といった一部の都市に関心が集中していました。しかし現在は、「何を体験するか」によって旅行先が選ばれるようになっています。つまり、テーマさえ合致すれば、地方都市や離島でも十分に選ばれる可能性があるということです。

実際、今回挙がった地域以外にも、コアリピーターに刺さる可能性のある地域は多く存在します。

  • 金沢:伝統文化×現代アート
  • 高山・白川郷:日本らしい原風景
  • 別府・由布院:温泉×体験型観光
  • 広島・尾道:歴史×サイクリング
  • 札幌・ニセコ:自然・アウトドア

これらに共通しているのは、「明確な体験テーマ」がある点です。

現在は、“有名かどうか”ではなく、
“語れる体験があるかどうか”が選ばれる基準になっています。      

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 分散が起きる3つの背景      

ではなぜ、コアリピーターの関心はここまで分散するのでしょうか。ここでは、その背景を3つに整理します。

① SNS時代の未開拓志向

近年、旅行先の情報収集はSNSが中心になっています。特にTikTokやInstagram、小紅書(RED)では情報が飽和しており、有名観光地は“見慣れた存在”になっています。

その結果、「まだ知られていない場所」「人と被らない体験」に価値が生まれています。

② モノから体験へ

訪日観光は、ショッピング中心の“モノ消費”から、“体験消費”へとシフトしています。

直島のアート体験や沖縄のリゾート体験のように、「そこでしかできないこと」が選ばれる理由になっています。

③ 制覇から深掘りへ

コアリピーターは、「一通り回る旅行」から「テーマを深掘りする旅行」へと移行しています。

その結果、行き先は自然と多様化し、分散という形で表れています。

④タイ市場特有の傾向

今回の結果には、タイ市場特有の特徴も影響しています。

タイ人観光客は、SNSを「検索エンジン」として活用する傾向が強く、観光地の知名度よりも「SNSで魅力的に見えるかどうか」が重要になります。

また、日本旅行のリピーター化が進んでいる市場でもあり、「人と違う場所に行きたい」という志向が強くなりやすい特徴があります。さらに、“写真・動画映え”の重要性も高く、「一言で説明できる体験」がある場所ほど拡散されやすくなります。   

 地方自治体の戦略       

ここまで見てきたように、コアリピーターの関心は「有名な場所」ではなく、「体験のテーマ」によって分散しています。では、このような層に対して、地方自治体はどのようなプロモーションを設計すべきでしょうか。

重要なのは、「広く届ける」ことではなく、“選ばれる理由”を設計し、適切な接点で届けることです。

そのために意識すべきポイントを、4つに整理します。

① ニッチは“選ばれる理由”になる

従来の観光プロモーションでは、「どれだけ多くの人に来てもらうか」が重視されてきました。しかし、コアリピーターに対してはこの考え方は必ずしも有効ではありません。重要なのは、「誰にでも刺さること」ではなく、“特定の人に強く刺さること”です。

例えば直島は、「アートの島」という非常に限定的なテーマでありながら、世界中から観光客を集めています。これは、“ニッチであること”そのものが差別化になっている好例です。

地方自治体においても、

  • 現代アート
  • ローカル建築
  • 特定の食文化
  • 季節限定の自然体験

といったように、「一言で説明できる尖り」を持つことが重要です。

“誰でも来てほしい”ではなく、“この人に来てほしい”を明確にすることが第一歩です。

② 「場所」ではなく「体験」で設計する

コアリピーターは、「〇〇県に行きたい」ではなく、「〇〇を体験したい」という軸で旅行先を決めています。そのため、発信の主語も「地域名」ではなく「体験」にする必要があります。

例えば:

  • 「福岡」→「屋台でローカルの夜を楽しむ体験」
  • 「沖縄」→「静かなビーチで過ごす非日常」
  • 「瀬戸内」→「島を巡りながらアートに触れる旅」

このように、“体験を起点にして場所を後から認識させる設計”が重要です。

また、体験設計の段階から、

  • 写真・動画でどう見えるか?
  • 一言でどう説明できるか?
  • SNSでどう共有されるか?

まで考えておくことで、拡散されやすいコンテンツになります。

③ UGCが意思決定を後押しする

コアリピーターのように情報感度の高い層ほど、「広告らしさ」に敏感です。そのため、KOL(インフルエンサー)施策だけではなく、UGC(一般ユーザー投稿)の設計が重要になります。

実際の旅行者による投稿は、

  • リアルな体験の証明
  • 同じ体験ができる安心感
  • 情報の信頼性

といった点で、意思決定に大きく影響します。

そのため自治体は、

  • ハッシュタグの設計
  • 投稿を促す仕掛け(キャンペーン等)
  • 写真・動画を撮りたくなるスポットづくり

などを通じて、「自然に投稿される環境」を整える必要があります。

“発信する”から“発信される設計”へシフトすることが重要です。

④ 「訪日中」が次の勝負どころ

見落とされがちですが、非常に重要なのが訪日中の接点設計です。

コアリピーターは、日本滞在中に次の旅行先を検討するケースが多く、現地での体験や偶然の発見が、次回訪問につながることがあります。

例えば:

  • 東京・大阪のアンテナショップ
  • 観光案内所でのレコメンド
  • 宿泊施設での地域紹介
  • 商業施設での地方フェア

これらはすべて、「次の行き先を提案できる場」です。SNSが「行ってみたい」を生み出すのに対し、現地接点は「次はここに行こう」という意思決定を確定させる役割を持ちます。

➄コアリピーターを引き付ける戦略

ここまでを整理すると、重要なのは以下の導線設計です。

  • SNSで興味・憧れを生む
  • UGCで信頼を補強する
  • 訪日中の接点で意思決定させる

この三段階を設計できるかどうかが、コアリピーター獲得の鍵になります。

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 まとめ:地方は“選ばれる側”に回れるか   

コアリピーターの関心は、ゴールデンルートから地方へと確実に分散しつつあります。

今回の調査でも見られたように、「直島・豊島」「福岡」「沖縄」といったように、行き先は特定のエリアに集中するのではなく、それぞれ異なる体験テーマに基づいて選ばれています。

この変化は偶然ではなく、

  • SNSによる情報環境の変化
  • モノ消費から体験消費への移行
  • 制覇型から深掘り型への旅行スタイルの変化

といった構造的な要因によって生まれています。

そして重要なのは、この変化が地方にとってのチャンスの拡大を意味している点です。これまでは「有名な都市」が選ばれていましたが、現在は「語れる体験」がある地域が選ばれる時代になっています。

つまり、知名度が低くても、規模が小さくても、都市でなくても“体験テーマ”さえ明確であれば、十分に選ばれる可能性があるということです。

一方で、このチャンスは自然に訪れるものではありません。

  • 誰に向けた体験なのか?
  • どのようにSNSで見せるのか?
  • どの接点で意思決定させるのか?

といった設計がなければ、選ばれることはありません。

コアリピーターは、日本をすでに知っているからこそ、“次に行く理由”を探しています。その理由を提示できる地域だけが、次の訪問先として選ばれます。地方に求められているのは、「有名になること」ではなく、“選ばれる理由を言語化し、届ける力”です。

この視点を持つことが、これからのインバウンド戦略において大きな差を生むでしょう。 

 

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※本文内で引用されている資料・データ、登場する人物の所属名・役職名などは掲載当時のものです。

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この記事を書いたのは

東南アジア・東アジアのマーケティングに携わり15年!
タイから始まりベトナム・マレーシア・インドネシアにもオフィスを構え、現地メンバーと日本のディレクターチームとで東南アジア・東アジアでの集客・プロモーションを支援しています。

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