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【2022年】日本は「戦」、東南アジアの「今年の1語」は?【タイ・ベトナム・マレーシア・インドネシア】

2022年がどんな年だったのか、日本の「今年の1字」になぞらえ、タイ・ベトナム・マレーシア・インドネシアのクリスクスタッフにインタビューしてみました!

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新年明けましておめでとうございます!クリスク・ジャパン ディレクターの山村です。

2022年の日本は、今年の漢字「戦」に象徴されるように、ロシアのウクライナ侵攻や、円安・物価高といった厳しい情勢の影響を受けながらも、サッカーワールドカップや北京冬季五輪での選手の活躍など嬉しいニュースもあった一年でした。

クリスクスタッフがいるタイ・ベトナム・マレーシア・インドネシアでは、特に「今年の1字」や「1語」を決めていないようです。そこで、2022年の「今年の1語」や印象的な出来事・トレンドを、各国のスタッフに挙げてもらいました!

タイの今年の1語は「ปรับตัว(適応)」

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Panida Rugsaj(パー)
クリスク・タイ スタッフ

多くのタイ人は、2020年から続くコロナ禍での生活にも、ロシアのウクライナ侵攻の余波にも慣れてきました。
大変なことも多いですが、みんな現実に「ปรับตัว(適応)」してきていると感じています。

コロナとインフレに慣れたタイ人

タイではコロナ禍がすっかり落ち着いていて、ほぼコロナ禍以前と同じ生活に戻りました。海外旅行に行く人も増えています。バンコクではまだマスク着用が一般的なものの、他県では外している人も多いようです。

また、ガソリンの値上げに端を発した物価上昇も続いていますが、タイ人はなんだかんだ受け入れて生活しているようです。

現実路線を象徴したバンコク都知事選

5月に実施されたタイの首都バンコクの都知事選で、チャチャート氏が2位に5倍以上の大差をつけ、史上最多票で当選しました。

2年前のタイでは、コロナ禍にも関わらずデモが多発するほど政治的な対立が激化。その上経済面でも苦しい状況でした。

そのような中、無所属で立候補したチャチャート氏。政争より実行を重視するスタンスを取り、むやみに対立候補を下げずに洪水問題や交通・環境問題の解決を訴える姿が、バンコクで広く受け入れられた結果の当選となりました。

実行力や庶民的な一面をアピールするチャチャート氏の支持率は、就任後半年以上が経過しても高いままです。行政システムのDXなども期待されています。

2022年のタイ:おまけ

他にも、以下のようなトレンドが見受けられました。

・フードデリバリーアプリが当たり前に。タイでは複数アプリの併用が一般的となっています。
・電子マネー決済はもはやマスト。現金を持ち歩く人も、現金のみ対応可のお店も急速に減少。
・動画配信プラットフォームも人気に。世界的に人気の Netflix、Amazon Prime、Disney Plusに加えて、韓国ドラマの多いViu、中国ドラマの多いWetvもユーザーが増えています。

▼タイのフードデリバリーアプリ情報はこちらから
タイ人直伝 美味しいレストランの探し方! 人気宅配アプリLINE MAN・Grab・Foodpandaも紹介


ベトナムの今年の1語は「Hy vọng(希望)」

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Vu Thi Phuong Lien(リエン)
クリスク・ベトナム マネージャー
ベトナムでは、2022年に一時コロナウイルス感染者が急増したものの、2021年までとは打って変わって経済が絶好調でした!

今年以降もさらなる成長が期待できるため、2022年の1語は「Hy vọng(希望)」を選んでいます。

 

過去10年で最高のGDP成長率

ガソリン代の高騰やゆるやかなインフレも起こっているものの、生活していてさほど実感はありませんでした。

むしろ、オンライン授業用のPCや、ワールドカップ観戦に備えたテレビなどの買い替え・買い足しがブームに。(ASUS製PCが人気でした)

データを見ても、2022年1~9月の「GDP:8.83%」「小売業の総売上高:前年比21%増」、他にも2022年の「オンラインサービスの総売上高:前年比28%成長の見込み」などと、景気の良い数値が並んでいます。

人材教育に注力

ベトナムでは小学1年生から英語が必修ですが、英語を話せる人は多くありません。

しかし、ここ10年の留学ブーム・欧米企業への就職ブームを後押しすべく、IELTS(世界的に有名な英語力試験)の点数と高校在籍時の成績次第で、大学入試を免除される制度が始まりました。

今、ベトナムでは必死に英語を勉強する高校生・中学生が急増中。

他にも国際大学対抗プログラミングコンテスト(ICPC)でベトナムが初めて銅メダルを獲得するなど、能力のある若者が頭角を現し始めているようです。

2022年のベトナム:おまけ

他にも、以下のようなトピックが特徴的でした。

・ベトナムの総人口がもうすぐ1億人を突破しそう(全世界15位、日本は11位)。しかし高齢化も進行しているため、ベトナム人としては喜ぶべきかわかりません……。
・交通事故の件数が減少しました。事故原因の大半を占める、飲酒運転への罰金が高くなったからと推測されます。
・パスポートのデザインが刷新され、各ページにベトナムの風景や史跡がプリントされています。海外旅行がちょっと楽しみになります!

▼アルコール好きなベトナム人の実態についてはこちらから
ベトナムにも雪が降る! 外国人が知らないベトナムの不思議な気候・スポーツ・飲酒習慣


マレーシアの今年の1語は「Pergerakan(動き出し、胎動)」

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Nurul Asyikin(ヌルル)
クリスク・マレーシア ディレクター

昨年4月にマレーシア政府が「エンデミック(新型コロナウイルスの地域的・周期的・日常的流行への移行)」を宣言して以降、色々なことが動き出しました。しかし、コロナ前の日常に戻った訳ではなく、むしろ新しい世界に移ったと実感しています。

そこで、2022年のマレーシアを表す言葉として「Pergerakan」(動き出し、胎動)を選びました。

東南アジア屈指の好景気到来

マレーシアでは石油も天然ガスも自国で供給できるため、他の国ほどウクライナ侵攻の影響を受けていないように思います。

むしろ、ハイブランドのお店が入っているショッピングモールは、中華系マレーシア人で連日混雑しており、CHANELの新コレクション発売の際は2時間もの行列が出来たとか。

他にも海外旅行に出るマレー系マレーシア人や、ハイブリッド車に買い替えるインド系マレーシア人も増え、庶民も実感できるレベルの好景気が到来しています。

文化面も充実しているマレーシア人

マレーシア人がSNSに投稿する写真や動画のクオリティが明らかに上がっており、ドローンを多用したシネマティックな撮影も広まっています。マレーシア人の撮影クオリティが昨年、国立石油会社でツインタワーの持ち主であるPetronas社にも認められ、公式アカウントでも積極的にUGC(ユーザー生成コンテンツ)が引用されるようになりました。

また、2023年にはマレーシアでもミシュランが始まります。お店の格付け・淘汰を経て、外食に対する本物志向・本格志向がより強まるでしょう。日本食のお店にはチャンスかもしれません

番外編:ここが変かも?日本人(2022)

訪日プロモーションに携わることが多い視点で感じた、日本へのアドバイスを共有させてもらいますね。

・昨年日本に旅行した知人いわく、英語を話せる日本人が減っていると感じたそうです。街なかに限らず、駅員さんですら「新幹線の自由席は何号車か?」の回答に困っていたそう。訪日外国人が戻る前に、自治体や企業での対策が必要かもしれません。
・越境ECに乗り出すメーカーや小売店が増えていますが、正直韓国製品の方が魅力的に映ります。日本製の品質の高さは知れ渡っているだけに、現状が歯がゆくてたまりません。現地でニーズのあるデザイン・プロダクト・クリエイティブを研究する余地があるでしょう。

▼東南アジアのECのニーズはこちらから
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インドネシアの今年の1語は「Berupaya(努力)」

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Tania Paramita(タニア)
クリスク・インドネシア スタッフ

2022年のインドネシアでは、10月のサッカー場の暴動事件や11月に起きたジャワ島地震のように、多くの人が亡くなる悲しいニュースが続きました。その中でも、国民1人1人が前を向き、「Berupaya(努力)」をしながら日々生きていると感じています。

不景気に負けない!副業・起業ブーム到来

インドネシアでは、昨年後半から従業員解雇のニュースが相次いでいます。危機感を抱いて自己投資や自己啓発に励む一方で、起業や副業探しを志すインドネシア人も増加中です。

私の周囲にも、ハンドメイド作家になった知人や、オンラインの古着店を始めた知人がおり、みんなInstagramやTikTokで集客しています。正直、私も何か副業でECに携われないかなと画策中です(笑)。

また、無名のPodcasterが増えていることからも、不況の中でも個人個人がキャリアや実績、知名度を積むことに意欲的になっていると感じます。

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インドネシア政府の不況対策

2023年は本格的な景気後退が予測されますが、インドネシア政府も手をこまねいている訳ではありません。

特に食料価格のインフレを防ぐべく、地域インフレ管理チーム(TPID)が結成され、各地域の食料品在庫の見直し、貯蔵庫の強化、インフラ支援などが始まりました。
また、環境保護も兼ね、電気自動車購入への補助金も検討されています。

その他にも、インドネシアでは中小零細企業(MSMEs)が雇用の調整弁とみなされているため、中小零細企業への補助金や援助スキームを求める声も挙がるようになりました。前述の起業・副業ブームを、政府が後押しすることになるかもしれません。

2022年のインドネシア:おまけ

そのほかにはこんなトピックもありました!

・コロナウイルスはもはや「ただの風邪」扱いに。オフィス勤務に戻る人も増えていますし、野外イベントなどでの人数制限も撤廃されつつあります。私の周りでは、航空券の値上がりをいとわず旅行に出る人も増加中です。
・2022年11月2日にアナログテレビが停波し、全国的にデジタルテレビに切り替わりました。インターネットの普及状況は都市部と地方で差があるため、「エンタメはテレビだけ」という生活を送る地方のシニア層が、デジタルテレビの操作に苦戦しているようです。
・Twitterの本社オフィス閉鎖がインドネシアでも話題になり、「#RIPTwitter」がトレンドに。Twitterに代わるちょうど良いSNSがなく、一時「Twitterが無くなったらどうしよう?」の声があふれました。

▼インドネシアの都市部・地方の違いについてはこちらから
地方と都市で大きく違う!インドネシア人の生活・考え方


まとめ

東南アジア各国のスタッフに話を聞いた結果、どの国でも「いかにコロナ禍を乗り越えたか」が強く意識されていた印象です。

程度は異なれど、今年はより状況が改善もしくは成長する国が多くなりそう。そういった東南アジア市場で勝負したい国内企業のみなさまを、クリスクは引き続き応援します。

今年も東南アジアのトレンドを発信しますので、ぜひチェックしてください!

※次週より、国ごとの2022年のトレンドをご紹介します。お楽しみに!
【マレーシア版】2022年のデジタルマーケティングトレンド
【ベトナム版】2022年のデジタルマーケティングトレンド
【インドネシア版】2022年のデジタルマーケティングトレンド

参考)
選挙圧勝のチャチャート氏、第17代バンコク都知事に就任 リベラル派56歳 | newsclip (ニュース、政治のニュース)
Your rough guide to the 2022 Bangkok gubernatorial manifestos | Thai PBS World
2022 年にベトナムの GDP は 8.83% 増加し、過去10 年間で最高の増加率
Kinh doanh bán lẻ đã vượt mức trước đại dịch
Kinh tế số Việt Nam tăng trưởng cao nhất Đông Nam Á
Jurus Jitu Pemerintah Cegah Dampak Resesi Ekonomi Tahun 2023 - Selamat Datang di Website Resmi Pemerintah Daerah Kota Cimahi
Perkuat Sinergi dan Gebrakan Extra Effort dari TPIP-TPID untuk Kendalikan Capaian Inflasi Nasional - Kementerian Koordinator Bidang Perekonomian Republik Indonesia
Pemerintah Berencana Berikan Subsidi untuk Mobil Listrik pada 2023, Harganya akan Terjangkau? - Otomotif Liputan6.com
Ancaman Resesi 2023, UMKM Bisa jadi Solusi Jitu - ITS News

(執筆:山村 あおい 編集:クリスク海外事業部)

※本文内で引用されている資料・データ、登場する人物の所属名・役職名などは掲載当時のものです。

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この記事を書いたのは

クリスク・ジャパン ディレクター
学生時代から様々な海外でのボランティア、インターンなどに参加。新卒で入社したベトナムのIT企業でプロジェクトマネージャーを6年務めた後、クリスク・ジャパンにディレクターとして参画。フットワークの軽さを活かし、訪問した国の数は19ヶ国にも上る。趣味は旅行、音楽鑑賞。

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