マレーシアのマーケティングで押さえたい国民性・タブー・KOL起用のポイントは？［海外マーケティング基礎編］

とにかく、メールやDMへの返信が遅いです！

朝はメールチェックをしていますが、その場で返信せずに後回しにすることも多いです。そのまま午後に催促が来て気付くということもしばしば。

コンタクトするなら、午前8時から10時頃がタイミングとしてはいいかなと思います。

仕事は延ばしがちなので、余裕を持って締切を伝えるなど工夫したほうがよいと思います。
特にマレー系はのんびりしている国民性ですね。

そうですね。テンポは日本と比べたらゆっくりめなので、余裕を持ってもらえるといいですね。

ただ、仕事に熱意が無いわけではなく、むしろ仕事熱心な人は多いです。
さらにとてもフレンドリーな国民性なので、周りの人の仕事を積極的に手伝ったり、チームワークや同僚との関係性を大切にしたりする傾向もありますね。

コミュニケーションのときに使う言語や言葉使いは、相手の学歴や職種によって柔軟に変えています。

英語を使うかどうかや、フランクな話し方のほうがいいかどうかなど、相手によって変えるという感じです。

はい、そうですね。
たとえばKOLに仕事を依頼する場合だと、インターネット世代の若い人が大半なので、フォーマルなコミュニケーションよりも、「What’s  up?」とフランクに挨拶をするなど、インフォーマルなほうが円滑にコミュニケーションがとれます。

最近はメールよりもInstagramやTikTok、WhatsAppなどが連絡手段になってきています。

ビジネスならWhatsAppのアカウントを持っておくのがよいと思います。
KOLも、自分の仕事用のWhatsAppのアカウントをSNSのプロフィールに掲載していることが多いです。

有名なKOLの場合はマネージャーがついていたり、会社などの組織として仕事を受けていたりすることが多いので、メールの際には宛先に「Dear ◯◯＆Manager」「Dear ◯◯＆Team」などと入れることですね。

また、最初のオファーはメールでもいいですが、2回目以降の連絡のためには、先ほども言いましたがWhatsAppなどのアカウントを聞くようにしてください。
今は8割以上のKOLがWhatsAppを使っていますので。

はい。一般的な会社員だとメールでのやりとりはマストですが、KOLの場合はもっとカジュアルにやりとりをするので、チャットアプリのほうがスムーズです。

メールだとレスポンスはかなり遅くなりますよ。

確認事項が多い場合や、しっかり相手の反応を見ながら確認を取りたい場合などは、相手が会社組織になっている場合にはオンラインミーティングをすることも多いです。

中華系のマレーシア人の場合には、一緒に食事をしてコミュニケーションを深めながら細かい話を進めていくのも有効です。

WhatsAppでのやりとりはログがどんどん流れてしまうので、相手にしっかり意識してもらい、「言った・言わない」を避けるためにも、やりとりの最後にまとめとして日程・金額などの要点を改めて伝えて、相手の確認と了解を得るようにしてください。

その場合は、後で改めてWhatsAppやメールなどで議事録を共有して、確認と了解をもらうようにしてください。
返事を催促してでも合意を得ることが大切です。

マレーシア人同士だと忘れていたりすれ違っていても謝罪や交渉で済んでしまいますが、外国の人が相手の場合は要点はしっかり合意をとっておくとトラブルを避けられます。

KOLの場合は撮影中などで連絡がつかない時間も多いのですが、すぐに返事ができる場合には、一般的にはWhatsAppなら30分から1時間くらいでレスポンスがあるはずです。
なかなか返事が来ないときには、たとえば昼に連絡をして返事がなかったら夜にもう一度連絡してみたり、電話をかけてみたりするのがいいと思います。

連絡がとりやすいのは、KOLだと朝10時から夜10時くらいまでですね。
若いKOLなら夜遅くても返事が来やすいです。
マネージャーや会社の人なら、朝7時くらいでもだいたい連絡がつきます。

2点ありますね。
まず、確認事項は事前にまとめた上で尋ねてほしいです。
インフルエンサー（KOL）のアレルギーの有無や、来日時に午前便なのか午後便なのかなど、細部まで目を配れることは日本人の良い部分だと思います。

ただ、質問を小出しにされるとやり取りの期間が延びてしまい、プロジェクトの進行に支障をきたすんですよね。

また、日本人は食事で関係性を深めようとしがちですよね。ただ、イスラム教徒には「賄賂」に映る場合があります。

例えば、イスラム系の広告代理店やKOLが相手の場合、日本の企業から発注して利益を得るのは広告代理店やKOL側ですよね。
その場合に発注側から受注側への贈り物は「挨拶」「感謝」と見なされるので問題ありません。

しかし、受注側からのプレゼントを受け取ったり、会食に応じたりすると「便宜を図ってもらおうとしている」「賄賂」と見なされるので注意が必要ですね。

マレーシアにはイスラム教徒が多く、パレスチナを応援する人が多いので、イスラエルやユダヤ系のブランドをボイコットする動きがあるんです。

不買運動が起こったり、広告の差し替えに発展したりすることもありますね。
イスラエル系の企業とのコラボが問題になることもあります。

チェックできるサイトがあります：Israeli Product Checker: Boycott Israel Products List 2024

日本企業が海外進出する際には、この問題は思っている以上にセンシティブだと知っておくとよいと思います。

ムスリムはお酒がNGなので、「みんなで飲んで盛り上がろう！」といったイベントは受け入れられない傾向があります。

マレーシアでは、イスラム系の政党がお酒を飲むイベントの禁止を主張しているんですよ。

そうですね。他にも、マレー系民族を被写体にした下着姿やセクシー系の広告はNGです。
中国系や欧米人のモデルなら大丈夫ですが。

ハラル認証のお店も多いですが、小さなお店であれば、あまり気にしないお客さんも多いかもしれません。

はい、宗教に関するトラブルはマレーシアでは最も避けたいですね。
他にも、広告や採用での民族差別なども大きな問題になります。

一方、商品の品質問題で営業停止に至る会社は思い当たらないですね。
安さが大事なので。