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マレーシアのハリラヤ商戦から学べ! オン・オフをつなぐOMO戦略の事例紹介

イスラム教徒にとって一年で最も大切な日「ハリラヤ」は、断食月のラマダンの終了後家族とお祝い日です。その時期で平均月収の三分の一をハリラヤのショッピングで使っているマレーシア人に向けた、オンライン・オフラインをつなぐOMO戦略事例を紹介します。

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こんにちは!マレーシアのヌルルです。

東南アジアやイスラム圏に興味がある方は断食月の「ラマダン」という言葉を聞いたことがあるかと思います。
では、「ハリラヤ」もしくは「イード」という言葉はご存知でしょうか?

マレー語で「ハリラヤ」と呼ばれるその日は、ラマダンの終了を家族で祝う、イスラム教徒にとって一年で最も大切な日。
今回はそのハリラヤの時期にマレーシアで繰り広げられる商戦についてご紹介したいと思います。

大盛り上がりのハリラヤは出費も拡大!

約一ヶ月間続くラマダンが始まる頃から、マレーシア全土のショッピングモールがハリラヤの装飾を始めます。

下の写真は、Utamaという大きなショッピングモールの今年の装飾の様子です。コロナの影響で帰省できない人たちに田舎を思い出してもらおうと、古くからの家屋をイメージしたものになっています。

ハリラヤ当日は、決まって家族写真を撮ります。
その際、今までの年と同じ衣装で写真に写らないように、家族でテーマカラーを決めて毎年新しい衣装を揃えます。

また、親族を家でもてなすために家の装飾を準備したり、伝統的なお菓子を焼いたりと、ハリラヤ前は多くの人が買い物を楽しみ、経済が大きく動く時期です。

コロナ前の2019年、ハリラヤの準備のための支出額は以下のようになりました。

Statistaのデータを元にクリスク作成

マレーシア人の平均月収はRM3,224(約8万4千円)なので、RM1,000の支出は、月収の約3分の1をハリラヤのショッピングに当てていることになります。

毎年注目!企業のYouTube広告

他国のお正月や祝祭日同様、マレーシアでも中国の旧正月やハリラヤは、たくさんの企業がこぞってストーリー性の高い企業広告を配信します。

今年も話題性に富んだものが多く、特に電力会社のテナガ・ナショナルは2018年の動画再生回数が1,224万回、2019年は816万回と毎年マレーシア人の心を掴んでいるのですが、今年の再生回数はなんと2,237万回も再生されています!

▼動画の内容
例年ならこの時期にビジネスが大繁盛しているはずの長女。
家族の話にも耳を貸さず、仕事漬けの毎日を送っていた彼女ですが、今年は活動制限令(PKP)が発令されてしまい、ビジネスもストップ。
悲しみのどん底と思われたハリラヤですが、活動制限令のおかげで家族と過ごす時間が持て、今までにない幸せなハリラヤを迎えることができたという内容をユニークな編集で仕上げています。

ちなみに、企業名はほとんど出てこず、動画の最後にインスタグラムページの紹介をしているだけになります。

オフライン・オンラインの両方を掛け合わせたマーケティング(OMO)事例

ハリラヤ当日は、家族写真を撮って美味しいものを食べるだけではありません。お年玉文化もあるんですよ!
そこで面白いマーケティングに活用されているのがポチ袋です。

以前は銀行の封筒ばかりが流通していましたが、最近はスーパーや飲食店、衣料品店など各社広告のツールとしてオリジナル・ポチ袋を準備している企業がたくさんあります。

大抵のものは非売品で、いくら以上の購入でポチ袋が無料でもらえるというシステムなので、ポチ袋をゲットするために買い物をするという人もいるほど。

筆者撮影

ポチ袋の中にはクーポンが印刷されたものもあります。これはお年玉をもらった子供だけでなく、親にとっても嬉しいですね!

Inside ScoopのOMO施策

そんなオリジナル・ポチ袋と併せて、ハリラヤ限定フレーバーを大々的に売り出していたのが、マレーシアで大人気の「Inside Scoop」というアイスクリーム屋さん。

インフルエンサーは女優でマレー系にとても影響力のあるMira Filzahを起用。
限定フレーバーの開発段階から彼女が関わっており、ハリラヤの2ヶ月ほど前から企業側とインフルエンサーの両者共に、SNSでキャンペーンを投稿。

オンラインとオフラインを融合させた「Online Merges with Offline (OMO)」戦略を上手く利用した事例で、マーケティングは大盛況でした。

この投稿では、限定フレーバーを購入の際、限定のハリラヤ・クーラーバッグとポチ袋がもらえるという内容が投稿されています。
更に、#mirafilzahxinsidescoopというハッシュタグでキャンペーンを盛り上げています。

そしてインスタグラムのフォロワー720万人以上抱えるインフルエンサー側の投稿では、「私も一緒に開発したハリラヤ限定フレーバー。本当に美味しく仕上がっているからみんな試してみてね!店舗だけでなくGrab Foodのデリバリーでも注文可能ですよ」と購入を促す投稿が行なわれています。

彼女がインスタグラムで発信した同キャンペーンの投稿の中には11万5千も「いいね!」が付いたものもあります。
企業だけでの宣伝ではどうしても限りがありますが、インフルエンサーの力を借りて広く販促を行なった成功事例です。

まとめ

マレーシアでは毎年企業各社がオリジナリティーを光らせ、いかにハリラヤ商戦をものにするか半年前から戦略を練っています。

例年ではショッピングモールでの販促(オフライン)に力を入れていた企業も、コロナの影響もあり、OMO、つまりオンラインとオフラインの垣根を作らずに、消費者に購買体験の選択肢を与える手法を取った企業が多くみられた今年のハリラヤ。

来年はまだまだどのような状況になるかわかりませんが、クリスクでは各国にスタッフをおき、最新のマーケティングトレンドに柔軟に対応できるよう心がけています。
ハリラヤ商戦に参戦される際は是非クリスクにご相談ください!

(執筆:Nurul Asyikin/編集:きたざわあいこ)

※本文内で引用されている資料・データ、登場する人物の所属名・役職名などは掲載当時のものです。

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この記事を書いたのは

クリスク・マレーシア ディレクター
クアラルンプール出身日本育ち。マレーシアの大学で観光学専攻後、マレーシア政府観光局→PR会社を経てクリスク・マレーシアに参画。訪日PR・観光・インフルエンサーマーケティング案件を中心に担当する傍ら、自身でも撮影コーディネーションの会社を経営している。趣味はアウトドア。

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