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「Red(小紅書)」を活用したSNSプロモーション、成功の秘訣は? 株式会社篤月さんに聞きました!

中国での商品/サービスのプロモーションでも、やはりSNSの活用は重要な選択肢に挙がります。今回は中国でよく使われているSNS「Red(小紅書)」の特徴から、中国におけるSNSマーケティングのポイントまで幅広くご紹介します。

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「Red(小紅書)」を活用したSNSプロモーション、成功の秘訣は? 株式会社篤月さんに聞きました!

越境ECや海外店舗での販路拡大、またインバウンド対策などで、中国市場に興味のある日本企業は多いかと思います。Webサイト制作やメディア広告など、プロモーションにもさまざまな手法がありますが、現在の中国ではSNSを活用したデジタルマーケティングに注目が集まっています。

世界の統計レポートを提供するDataReportalによる「DIGITAL 2023: CHINA|DataReportal」によれば、2023年1月時点で1月時点で、中国のSNSユーザーは10億3000万人、人口の約72%にのぼるとされています。

特に今、中国で主流となっているSNSのひとつに「Red(小紅書)」があります。女性や若者を中心にユーザー数を増やし、現在は月間アクティブユーザー数が2億人以上とされていますが、どのような特徴のアプリで、プロモーションにはどのように活用すればよいのでしょうか。

そこで今回は、中国SNS市場を知り尽くす株式会社篤月(トゲツ)の代表:陳逸翔(チン・イッショウ)さんに、中国SNS市場の基本的な情報、また日本企業が成功する秘訣を聞いてみました。
篤月さんでは現在、医療や美容、不動産や食品メーカー、教育、飲食といった分野の日本企業のSNSプロモーションを手がけていますが、効果を出すためにはどういった工夫が必要になるのでしょうか?

株式会社篤月(トゲツ)
代表取締役 陳逸翔(チン イッショウ)

新卒で株式会社DYMにてWebマーケティングコンサルタントを経験。新卒から営業・コンサルタントとして売上1位を獲得し、その後独立。フリーランスとして中国国内の企業から依頼を受け、中国SNS運用やアカウントコンサルタントを務める。そこで実力のある中国人運用者を計12名まとめ上げ、トータル290アカウントのコンサルティング実績を持つ。
2022年7月より、株式会社篤月を経営開始。インバウンド需要、中国進出といったニーズに応えるため、現在は日本企業向けに、中国SNS運用のトータルサポートを行っている。
https://togetsu.co.jp/

中国の主流SNS「Red(小紅書)」って何?

クリスク
クリスク

今回は中国におけるSNSマーケティングの中でも、とりわけ「Red(小紅書)」に着目したいと思っています。

篤月さんでも運用代行をされていますが、まずRed(小紅書)とはどういったSNSなのでしょうか。

陳さん
陳さん

Red(小紅書)はInstagramのようなSNSで、動画や写真を投稿することができ、EC機能も備えています。日本でもSNSの動画を利用したプロモーションが活発化していますが、Red(小紅書)も同様に動画によるプロモーション効果が期待されています。

プラットフォーム側によれば、ユーザー層は大卒が7割くらいで、学歴は高めの傾向。また、居住地も中国四大都市である北京、上海、広州、深センが約5割を占めています。比較的お金を使える層ととらえてよいかと思います。

クリスク
クリスク

Red(小紅書)ではどんな内容の投稿が人気なのでしょう。

陳さん
陳さん

女性が多いので、グルメや美容、ファッションなどの投稿が人気です。朝からコーヒーを豆から挽いて淹れる、といった丁寧なライフスタイルを紹介する内容が人気だったりします。また、掃除の仕方や子育てに役立つ情報、留学情報や不動産投資のノウハウなど、生活やお金に関わる豆知識やハウツーものもよく注目されています。

逆に、TikTokでよく見るような、ただ踊っているだけ、歌っているだけのような動画は人気がありません。役立つ内容、何か得るものがある内容かどうかが重要なんです。

クリスク
クリスク

TikTokのようにいろいろな人の投稿がランダムに流れてくるのではなく、自分で見たい投稿を選べるため、まず中身がありそうかどうかが見られているということですね。

陳さん
陳さん

そうですね。また、動画の長さも、中国版TikTok「Douyin(抖音)」では30秒から1分くらいのものが主流ですが、Red(小紅書)はもう少し長く、1〜2分の物が多いです。ハウツー系は30秒では収まりきらないのでどうしても長めのものが多いという感じですね。

ただ、動画をおすすめに上げるアルゴリズムにはクリック数などの他に完全視聴率を使っているので、長すぎる動画だと完全視聴率が下がり、不利になります。

china-sns-marketing-20231108_02

SNSプロモーションで成功するための重要ポイントは?

クリスク
クリスク

日本企業が活用するとしたら、どのような分野の企業と相性がいいのでしょうか。

陳さん
陳さん

インバウンドで利益を上げたい企業や、輸出などで海外進出したい企業ですね。

インバウンドの顧客を呼び込みたい企業だと、旅行、飲食、ホテルなどの宿泊施設や、ドラッグストアなどの小売店が挙げられます。また不動産や通訳、エンジニアなどの派遣会社も相性がよいと思います。

輸出業でいえば、ある程度企業体力があることが前提で、中小企業よりも大企業は効果が出せるはずです。中でも中国人が興味を持っているのが家電やコスメですね。

食品輸出系だと今は少し、原発処理水の問題があり厳しいかもしれません。

クリスク
クリスク

日本企業の場合、どういう内容だと訴求力があると言えるのでしょうか。

陳さん
陳さん

中国人が日本の商品を購入するメリットは「質が高い」ことです。価格では中国国内では勝負できないですし、デザインなら中国人がつくるもののほうが中国人には刺さります。日本の商品であれば、壊れにくい、高品質などをアピールすることがよいと思います。

Red(小紅書)では海外投資や融資の広告は禁止されているので、不動産などの場合はオーガニックのほうでNGワードを避けつつ、中身があり訴求力のある内容を投稿していくのがいいと思います。

クリスク
クリスク

インバウンドを伸ばすためにRed(小紅書)を活用している自治体もあるのでしょうか?

陳さん
陳さん

インバウンド増加による地域活性化を狙ってSNS活用をしたいという相談は、都道府県や市区町村からも来ています。

インバウンド集客のために助成金を100〜200万円出している自治体もあり、フォロワーが100万人くらいいるインフルエンサーをキャスティングして地域のよさをPRしてもらうといった実施例があります。

クリスク
クリスク

民間ではどういった企業がRed(小紅書)で成功していますか?

陳さん
陳さん

SNSプロモーションでは、成功のポイントとして、いかにUGC(User Generated Content/消費者であるユーザーによって投稿されるコンテンツ)が多いかが挙げられます。

今、Red(小紅書)でも多くのユーザーに商品が投稿されている企業としては、「BASE FOOD」で知られるベースフード株式会社さんがあります。インフルエンサーをキャスティングしたプロモーションだけでなく、一般のユーザーが「朝これを食べて健康管理しています」といった動画を投稿するようになっていますね。

クリスク
クリスク

確かに、SNS上で商品が話題になっているイメージです。

陳さん
陳さん

他にも弊社が手がけて成功した事例としては、日本のメンズスキンケアブランドの会社や、中国のドライヤーのメーカーなどがRed(小紅書)を使って中国国内での売上を上げています。後者の企業は、今後TikTokなど日本市場のSNSプロモーションにも力を入れたいとのことです。

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気になる費用、どれくらい必要?

クリスク
クリスク

Red(小紅書)をプロモーションに活用するには、どれくらいの費用を考えておけばいいのでしょうか。

陳さん
陳さん

Red(小紅書)の場合、代理店の本音で言うと、しっかり効果を出すのであれば半年で1000〜1500万円くらいはかけてほしいです。中国企業はそれ以上の費用を使っているので、中国市場で勝つためには同等以上は必要になりますよね。

実際、先ほど挙げた中国のドライヤーメーカーでは、5000〜6000万円くらいかけています。

クリスク
クリスク

やはり高額をかけないと難しいのでしょうか。

陳さん
陳さん

もちろん100万円マーケティング施策はできますが、人口が日本の13倍という市場では、やはり日本の10倍くらいの予算はかけないと難しいと思います。中国で売れている商品はプロモーションにお金をかけて、初動時点でたくさんのインフルエンサーを起用してバズらせています。

1カ月だけ試しにやってみるというのもあまり意味がなく、半年もしくは一年単位でかけてUGCを増やしていくことがポイントですね。

クリスク
クリスク

UGCを増やすために、まずはKOL(中国のSNSにおいて消費者の購買意志決定に強い影響力を与えるインフルエンサー)をしっかり活用していくということですね。

陳さん
陳さん

日本の企業がSNSを活用する場合は、月に50万円くらいでスタートするケースが多いと思います。この50万円をKOLに使おうと思うと、フォロワー30〜50万人ほどの人を1人起用できるかどうかという感じです。相場では、フォロワーが15万人いるKOLなら1人約45万円と言われてます(フォロワー数の3倍ほど)。

実感いただく効果を出そうと思ったら複数のKOLの起用がマストになります。

クリスク
クリスク

なるほど。結果を出すためにはそれなりの投資が必要なんですね。

陳さん
陳さん

広告費と考えるよりも、市場を開拓するお金と考えたほうがいいと思います。

それから、SNSプロモーションを始めたものの、ECサイトが完成してなかったり、輸出の流れが整っていなかったりして、売上が回収できないということもありますので、そこはECコンサルタントなども活用して、最低限準備しておいておくのが良いでしょう。

そうした費用も含めて、市場開発にトータルで2000万円ほどあれば中国既存の商品などに負けず効果が見込めます。

「伸びる投稿」にするための工夫は?

クリスク
クリスク

先ほどUGCを増やすことがポイントというお話がありましたが、Red(小紅書)をはじめとしたSNSプロモーションでは、やはり広く知ってもらい、消費者の興味を引くことが最重要ということですね。

陳さん
陳さん

中国のECビジネスでは、「种草」という言葉がキーワードになっています。これは「草を植える」という意味で、興味関心の種をまくということです。

興味の種をまいて購買意欲を高めることが重要で、そこがうまくいけばあとは消費者が自ら行動して買ってくれるわけです。

興味を持たせるためには、これ見よがしな広告ではなく、消費者が面白いと思っているコンテンツの中に自然に溶け込んでいることがポイントです。

クリスク
クリスク

多くの人に見られる投稿にするために、何か工夫をすることもあるのでしょうか。

陳さん
陳さん

動画なら最初の5秒が重要です。

中国のインフルエンサーの投稿では、動画の冒頭に商品が出てくることはほとんどありません。5秒でいかに興味を引けるかですね。

いかにも「案件」とわかるような投稿は中国ユーザーは見ません。

クリスク
クリスク

投稿の中で、商品への注目度を伸ばすためにできる工夫はありますか?

陳さん
陳さん

たとえば、20秒の動画の隅に、ロゴを掲載しておくというやり方があります。見ている人は「あのロゴは何だろう?」と気になって調べたり、コメントで質問したりするんですね。

そうするとRed(小紅書)のアルゴリズムによって、人気投稿ということで上位に上がってくるんです。

クリスク
クリスク

面白いですね。他にもあるんでしょうか。

陳さん
陳さん

面白かったのは、動画の中に編集で画像をはめこんでいた投稿なんですが、その画像をあえてさかさまにしていたんですね。そうすると見る人はスマホを逆さまにして見ますよね。

これによって滞在時間を延ばすことができ、アルゴリズムで上位にくるようになるわけです。

クリスク
クリスク

さまざまなテクニックがあるんですね!

中国ではライブコマースも普及

クリスク
クリスク

Red(小紅書)にはECサイトの機能もありますが、それも活用したほうがいいのでしょうか。

陳さん
陳さん

ECサイトを活用するのは少し難しく、まずRed(小紅書)の代理店を通じて登録する必要があります。

今はそこにお金をかけるよりも、インフルエンサーを使った投稿や、ライブコマースなどでプロモーションしたほうが売上にはつながるのではないかと思っています。

クリスク
クリスク

日本ではまだライブコマースはあまり流行っていませんが、中国では効果的なのですか?

陳さん
陳さん

日本のテレビショッピングのように動画をライブ配信して商品を紹介し、ECサイトに誘導して売るということですが、中国で売りたいのなら、視野に入れる必要はあると思います。

ライブコマースの場合は通常の投稿とは違い、しっかり商品紹介として配信していきます。

クリスク
クリスク

最後に、Red(小紅書)でのプロモーションにおいて注意すべき点があれば教えてください。

陳さん
陳さん

インフルエンサー、KOLを起用するならしっかりコミュニケーションをとることです。投稿・配信の内容についても、台本や秒数など、あらかじめ細かく確認をとってください。

後から「思っていたのと違った」とやり直しを依頼しても協力してもらえない場合がありますので、最初の時点で細かく詰めておくことが大切です。

クリスク
クリスク

わかりました。本日はありがとうございました。

まとめ

中国版Instagramと言われるRed(小紅書)では、インフルエンサーを使ったプロモーションも活発に行われています。効果を出すポイントは、興味を引くコンテンツの中に自然に商品が溶け込んでいること、あるいはライブコマースを積極的に活用すること。

費用は高額に思えるかもしれませんが、中国の人口は日本の10倍以上、つまり結果もそれだけ期待ができる市場だということです。
今後、日本企業の進出がますます増えていきそうな中国市場で成功するために、ぜひSNSも活用していただければと思います。

クリスクでは、現地スタッフによる各国の調査を踏まえたWebマーケティングをご提案しています。もしSNS運用やWeb広告運用の案件があれば、お気軽にお声がけください!

※本文内で引用されている資料・データ、登場する人物の所属名・役職名などは掲載当時のものです。

東南アジアにおけるSNSを活用したマーケティングをサポートします。お気軽にご相談ください。

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この記事を書いたのは

東南アジア・東アジアのマーケティングに携わり12年!
タイから始まりベトナム・マレーシア・インドネシアにもオフィスを構え、現地メンバーと日本のディレクターチームとで東南アジア・東アジアでの集客・プロモーションを支援しています。

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