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訪日中国人向けマーケはRedとbilibiliがおすすめ!iClick社に徹底インタビュー

2023年夏に日本への団体旅行を解禁した中国。2024年はより多くの観光客が来日することが見込まれますが、どのようにインバウンド対策を行っていけばいいのでしょうか。今回は、中国現地のメディアをいかに活用するかについて、ポイントを伺いました。

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コロナ禍を経て2023年8月、中国政府が日本への団体旅行を解禁し、再び多くの中国人観光客が訪れるようになりました。
JNTO(日本政府観光局)による最新の統計では、2023年1〜11月に日本に訪れた中国人は約211万人。2024年にはここから大きく増加することが予想され、インバウンド対策に力を入れていきたい企業も多いのではないでしょうか。

情報社会におけるインバウンド対策で大きなポイントとなるのは、観光客に対していかに事前に情報を伝えられるかです。そこで今回は、中国人観光客を対象にしたインバウンド対策において、「中国現地の媒体」をどのように活用していけばいいのかに焦点を当ててインタビューを実施しました。

協力してくださったのは、中国のデジタルマーケティングソリューション企業「iClick Interactive Asia Group Limited」(以下、iClick)のAPAC & EMEA副総裁・郑志威(Eric Cheng)様と、日本企業担当の姚峥(Kelvin Yao)様。中国市場に興味を持つマーケティング担当者に役立つ情報を教えていただきました。

 

郑様

Eric Cheng 郑志威 様
iClick Interactive Asia Group Limited APAC & EMEA副総裁

iClick上海を拠点に、中国での業務は10年以上、マーケティングとデジタル広告領域では15年以上の経験を持つ。APACとEMEA地域統括の戦略アカウントを管理し、すべての担当市場で新規ビジネスを開拓、アウトリーチ戦略を実行して事業運営をリードする。iClickへのジョイン前は、British American Tobacco、Hang Seng Bank、HSBCなど、さまざまな大手グローバル企業で上級管理職を務めた。
https://jp.i-click.com/

姚様

Kelvin Yao 姚峥 様
iClick Interactive Asia Group Limited 日本企業担当

大学卒業後、日本で10年以上の留学・ビジネスを経験。主に日中間プロモーション、デジタルマーケティング関連の業務に10年程携わる。現在は、iClick Interactive Asia Group Limitedの日本企業の担当窓口として、中国市場におけるマーケティング施策を日本企業向けにサポート。
https://jp.i-click.com/

 

中国ではY世代、Z世代の海外旅行者が増加中

クリスク
クリスク

iClick社では、日本国内向けの業務としてはインバウンド対策、日本企業の中国進出サポート、日本にいる中華圏向けのサービスを展開されているということですが、まずは中国人観光客の傾向について現状を押さえておきたいと思います。

日本に限らず、中国人に人気のある旅行先について教えていただけますか。

郑様
郑様

行き先としては、東南アジア、日本、韓国の旅行プランが人気です。長期間の旅行であれば、欧米に行く人も多いですね。

最近は、クルーズ船の4泊5日のツアーなども人気が回復してきました。

姚様
姚様

中国の旅行プラットフォーム「C-trip(シートリップ)」の調査によると、中国人旅行者に人気の国トップ10はタイ、日本、韓国、マレーシア、USA、UK、シンガポール、オーストラリア、インドネシア、ベトナムとなっています。

クリスク
クリスク

やはりアジア圏内が人気ということですね。中国の出国観光客の人口統計情報から読み取れることはありますか?

郑様
郑様

中間層の旅行者は減少傾向にありますが、年代でいうと20代、40代は増加しています。

また、2019年には友人や家族、同僚と一緒に旅行する人が多かったのですが、2023年は一人旅をする人が増えています

姚様
姚様

アリババグループの旅行プラットフォーム「Fliggy(フリギー)」のデータでは、アウトバウンド旅行者の54.7%が90年代・00年代生まれのY世代、Z世代と、若い層の海外旅行が増えています

また別の旅行プラットフォーム「tongcheng(トンチョン)」の調査でも、日本への旅行者の年齢層は81%が 40代以下となっています。

富裕層がメインとなり、旅行費用も2〜3倍に増加

クリスク
クリスク

中間層が減少しているということは、旅行者には若い世代の富裕層が多いということでしょうか。

姚様
姚様

そうですね。先ほどのFliggyのデータでは、海外旅行者の62.2%が1級都市や新1級都市と、経済的に豊かな地域に住んでいる人となっています。

日本での観光では「リッチな体験」を求める人が多い傾向にありますね。

郑様
郑様

また、パッケージツアーよりも、自分でやりたいことを選んで自由に行動できる個人旅行のほうが人気です。

クリスク
クリスク

するとやはり、日本への旅行でも高いお金を費やす人が多いのでしょうか。

郑様
郑様

2019年には旅行費用は20万円くらいという人が多かったのですが、2023年では70万円くらいかける人が多くなっています

費用が高くなっている背景には、円安もあってショッピングに多額のお金を使ったり、滞在期間が長くなったり、日本ならではの体験をしたいとか、高級ホテルに泊まりたいという人が増えているといったことが挙げられます。

姚様
姚様

C-tripのデータでは、先ほど挙げた人気トップ10の国へのアウトバウンド旅行者の平均消費額が、2023年第1四半期には前年同期と比べて32%増加したとされています。

日本への旅行について言うと、2019年は初めて日本に訪れる人が半数近くいましたが、2023年はリピーターが6〜7割になっていて、同時に買い物などのモノ消費よりも、独自の体験をしたいというコト消費へと志向が変わってきています

クリスク
クリスク

中国人観光客の集客を考えるのであれば、高い価格帯でも日本ならではの特別な体験を提供できることというのがカギになりそうですね。

▼ 訪日中国人富裕層のニーズについては、こちらも併せてご覧ください!

 

ニーズが高いのは、非日常的で「日本ならでは」の体験

クリスク
クリスク

中国の海外旅行者が旅行先でどんなことをしたいか、あるいはしているか、具体的に教えていただけますか。

郑様
郑様

20代はネットで情報収集した上で、実際にそれを見に行きたい、体験したいという目的で長期旅行に行く傾向があります。

社会人だと、中国のストレスフルな生活から離れて羽を伸ばしたいということで、非日常的な体験を求める人も多いです。今ならリゾート地でのウィンタースポーツも人気ですね。

姚様
姚様

富裕層では既婚者でも子どもがいない人が増えてきていて、夫婦でゆっくり贅沢な星つきレストランや高級リゾートを楽しむケースがよく見られます。医療ツーリズムも注目されています。

ファミリー層の場合は子どもが喜ぶディズニーランドやディズニーシー、USJなどテーマパークに行くことが多いです。買い物より、やはり体験を重要視していると思います。

郑様
郑様

今はインターネットで情報収集をしてから個人で行きたい場所に行く人が大半ですが、シルバー層の場合は自分では手配せず、旅行会社やコンシェルジュに依頼するケースが多いです。

また、観光やレジャー目的だけでなく、ビジネス目的や親族へ会いに日本へ行く人も増えています。

クリスク
クリスク

日本への観光客は、2024年にはさらに増えると考えてよさそうでしょうか。

姚様
姚様

2024年1月現在で、C-tripでの日本旅行の予約数は60万件以上と、順調だと思います。

ただ、観光ビザがとれるかどうかが大きなハードルとなっていますね。そこをクリアした人は、地震や処理水の問題があったとしても来日する傾向にあります。ビザがとれたら3カ月以内に旅行をしないと、期限切れになってしまうからです。

ですから、旅行の計画を立て始めるのが1カ月とか数週間前からという人が多いです。

クリスク
クリスク

なるほど、プロモーションでもその期限を意識するとよさそうですね。

広告には「旅行中に今すぐ使える情報」を盛り込もう

クリスク
クリスク

では、中国人観光客を対象としたプロモーションではどのようなことが有効になってくるか教えてください。

郑様
郑様

オンライン旅行メディアの広告枠に掲載するという方法もありますが、広告を打つのであれば、中国最大級のユーザーネットワークを持つ「Tencent」が提供する広告プラットフォームを活用するのがベストです。

クリスク
クリスク

旅行サイトに限らず、日々使っているメディアの中で目に留まるようにということですね。

郑様
郑様

同社は中国メッセンジャーアプリ「WeChat」や決済システム「WechatPay」、インスタントメッセンジャー「QQ」、さらにオンラインゲームやニュースなど幅広くサービス展開をしていますが、この各種アプリやWebサイトへ広告出稿することで効果的にユーザーに情報を届けることができます。

姚様
姚様

Tencentを使ってインバウンド対策をするのであれば、旅行中の観光客にも有益な情報を出すのがポイントとなります。

たとえば免税店の情報や、割引などの特典情報をランディングページに記載するといった工夫があると、目につきやすく「行ってみよう」と行動に結びつきやすくなります。プラスアルファで、ランディングページに広告主のSNSアカウントを掲載しておくのもよいと思います。

クリスク
クリスク

店頭での支払い方法の記載なども重要な情報となりますか。

姚様
姚様

はい。中国国内では消費者は現金を使用しないので、キャッシュレス対応はマストと考えていただいたほうがよいです。

さらに、キャッシュレス対応であることがユーザーにわかるように、ランディングページや広告などに記載しておくとよいですね。

郑様
郑様

キャッシュレス決済といってもクレジットカードは持っていない人が多く、WechatPay、Alipayがほとんどなので、中国人観光客をメインターゲットとするなら必須と考えてもらいたいです。

美容やライフスタイル情報なら「Red(小紅書)」と、SNSも使い分け

クリスク
クリスク

SNSを活用して、口コミで情報を拡散していくにはどんなプロモーションがよいでしょうか。

郑様
郑様

ソーシャルメディアプラットフォーム「Red(小紅書)」を活用するのが効果的です。EC機能のついたInstagramといったイメージですが20〜30代の女性ユーザーが多く、美容関連の情報や、ライフスタイル情報の収集や発信がメインとなっています。

インバウンド市場に最も向いていると思います。

姚様
姚様

中国ではTikTokもよく使われていますが、年齢層が幅広く、いろんなジャンルの情報が溢れていて、日本関連のコンテンツも多すぎるため、インバウンドプロモーションにはあまり向いていないですね。

クリスク
クリスク

美容関連や、日本のライフスタイルを発信するような場合はRed(小紅書)がいいということですね。

郑様
郑様

他にも、アニメや二次元カルチャーに強いSNSとしては、「bilibili」があります。ここでは学習系コンテンツもいいと思います。

クリスク
クリスク

SNSでプロモーションをしようとすると、費用はどれくらいかかると考えればいいでしょう。

姚様
姚様

Redのアカウントを運用して効果を出す場合、半年で150万〜200万円くらいを考えていただくとよいと思います。広告も出稿する場合にはもう少しコストが上がります。

郑様
郑様

ちなみに、弊社のサービスでは、DSP(Demand-Side Platform:ターゲット・予算を設定すると広告枠の買い付けや配信、クリエイティブ分析まで自動で最適な広告配信をしてくれるツール)が最も安くなります。

クリスク
クリスク

バナーやランディングページの広告から、SNSの活用まで、業種に合わせて効果的な方法が違うので、詳しくは相談させていただくのがよさそうですね。ありがとうございました。

▼ Red(小紅書)の活用法については、こちらの記事もご覧ください!

まとめ

日本を訪れる中国人観光客は、若い世代かつ富裕層がメインになってきているということで、ターゲットにするのであれば「キャッシュレス決済」「特別な体験」「インターネットを使った情報発信」がキーワードになるとのこと。

プロモーションにおいては、巨大ネットワークを持つTencent社への広告出稿や、SNSを活用した口コミが効果的で、旅行中に知りたい情報を記載することがポイントとなりそうです。またSNSも、自社の業種やターゲット層に合わせて使い分けるとよいでしょう。

クリスクでは、現地スタッフによる各国の調査を踏まえたWebマーケティングをご提案しています。もしSNS運用やWeb広告運用の案件があれば、お気軽にお声がけください!

※本文内で引用されている資料・データ、登場する人物の所属名・役職名などは掲載当時のものです。

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この記事を書いたのは

東南アジア・東アジアのマーケティングに携わり12年!
タイから始まりベトナム・マレーシア・インドネシアにもオフィスを構え、現地メンバーと日本のディレクターチームとで東南アジア・東アジアでの集客・プロモーションを支援しています。

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