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【中国】2024年のトレンド速報:消費者マインドに新潮流!「品質重視」「情緒消費」【越境ECでも】

2024年、不動産不況や雇用情勢の低迷を背景として個人消費の低調が続いた中国。経済状況が変化する中、越境ECをはじめ中国人をターゲットにした物販では、この1年でどのようにトレンドが変化したのでしょうか?

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【中国】2024年のトレンド速報:消費者マインドに新潮流!「品質重視」「情緒消費」【越境ECでも】
9:48

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長期化する不動産不況や若年層の雇用情勢の悪化、また2022年末まで続いたゼロコロナ政策の影響などを背景に、経済の低迷が続いている中国。
国内では需要不足が懸念材料となっており、訪日インバウンドでも、コロナ禍前に見られた「爆買い」を見かけることが少なくなりました。

訪日観光客数においても、コロナ禍前の2019年には年間約959万人が中国からの観光客で、2位の韓国(約558万人)と大差をつけて1位でしたが、2024年は逆転。10月までの累計では韓国が1位で約720万人、中国は2位の約583万人となっています(データは日本政府観光局/JNTO)。

とはいえ、年間500万人以上の観光客が見込める国は、インバウンド対策では重要なターゲットとなります。また当然、世界第2位の経済大国である中国は、ビジネス拡大において最重要な市場のひとつであることも間違いありません。

では、中国国民の消費傾向に大きな変化が見られる中、2024年の消費トレンドはどうなっていたのでしょうか。クリスクで中華圏を中心に担当するデンに、リアルな消費者の動きについて聞いてみました。

 

「爆買い」なんてもはや過去!クオリティ重視の消費志向

クリスク
クリスク

今回は中国人の消費傾向について、最新の動向を聞きたいのですが、直近だと11月11日の「独身の日」がありましたね。

独身の日にはECサイトで大型セールイベントが行われますが、2024年はどうだったのでしょうか。

田
デン

通称W11(ダブルイレブン)ですね。

アリババグループの11月12日の発表では、数値は公表されませんでしたが、購入者数は過去最高、総取扱高は「堅調な推移」としていました。
データシンクタンク「星図データ」の推計でも、2024年のセール期間中の売上は前年比26.6%増となっています。

クリスク
クリスク

前年と比べてだいぶプラスになったんですね?

田
デン

一見そう思えますが、2023年のセール期間は12日間だったところ、今年は29日間と倍以上長くなっています。
それを考えたら、1日あたりの売上は減少していますよね。

私から見た雰囲気としても、やはり冷めているように感じました。
SNSでの盛り上がりも、今年はイマイチでしたね。

クリスク
クリスク

なるほど。やはりコロナ禍以降、消費は低迷していると言えそうですね。

田
デン

そうなんです。
昔のような「爆買い」をする中国人は、今はめったに見ないですね。

消費傾向としては、「自分のニーズに本当に合っているか」を見極めるようになっています。
また、安ければいいというものでもなく、クオリティの高さも重視します。

クリスク
クリスク

ものを買うときに、より慎重に選ぶようになっているんですね。

田
デン

はい。
以前は芸能人やインフルエンサー(KOL)がオススメしているものをすぐに買う人が多かったのですが、今は鵜呑みにせず、品質をよく調べるようになりました。

価格にとらわれず、総合的に商品を見て判断したり、体験を重視したりする傾向にシフトしていますね。

クリスク
クリスク

W11のときに、売上が好調だった品目はありますか?

田
デン

ECサイト各社それぞれがいろんなデータを出しているので一概には言いづらいのですが、セール期間ということで普段買うものよりもちょっと高いもの、普段なら買わない商品の売上が好調となっていました。

家電や家具、アウトドアアイテムや、美容・ヘルスケア関連のちょっといいもの、という感じですね。

クリスク
クリスク

安くなっているときに買っておこうということですね。

田
デン

富裕層でも、買うタイミングを見極めて買っている印象です。
お金があってもどう使うかの判断はシビアになっていますね。

 

トレンドは「癒やされたい」中国の若者にぬいぐるみ・キャラクターが人気

クリスク
クリスク

今は、一般的な中国の消費者は、節約志向にあると考えていいのでしょうか。

田
デン

そうなんですが、若者たちは「癒やされるもの」にお金を使うようにもなっています。

雇用情勢の悪化や競争社会の激化などストレスが多い中で、最近ではぬいぐるみやキャラクターものが売れるようになっているんですよ。

クリスク
クリスク

いわゆる「情緒消費」や「感情経済」、感情にササるものが売れるということですね。

田
デン

はい。
私も好きな「ちいかわ」は、今中国のZ世代に大人気です。かわいいし、いやされるんですよね。

2024年の春には、大手雑貨チェーンの「名創優品」が、上海や北京の大型モールにちいかわのポップアップショップを展開しています。
https://x.com/VisitBeijingcn/status/1783673018431980023

クリスク
クリスク

キャラクターをバズらせることに限らず、Z世代をターゲットにするなら「ゆるふわ」や「癒やし」はキーワードになりそうですね。

田
デン

Z世代以降の若い世代でいうと、好きなものを好きと表現する人が増えていますね。

以前は、人目を気にして展示会などのイベント会場のみでコスプレをしていた人たちも、最近は普通に電車内や街中でもコスプレをするようになってきています。

クリスク
クリスク

締め付けられたくない、もっと自由でいたいという人が多くなっているのでしょうか。

田
デン

そうですね。
もっと自由になりたいという気持ちが、消費行動にも表れているように感じています。

 

外国製品 vs 中国ブランドの競争が激化

クリスク
クリスク

今まで中国では、日本製品をはじめ、外国製品は売れるイメージでしたが、今はどうなっているのでしょうか。

田
デン

国内では自国ブランドが力をつけてきていて、昔は海外ブランドを「こんなの見たことない!」と興味を持って買っていた人も、中国ブランドに注目するようになってきています。

Z世代を中心に、中国の伝統的な要素と現代の最新要素の両方を取り入れた商品の人気が高まっていて、「国潮(グオチャオ)」と言われるブームも起こっているんです。

クリスク
クリスク

日本企業が進出する場合には、中国国内のブランドとの競争を意識していったほうがいいということですね。

田
デン

はい。
国も政策として、自国ブランドを立て直そうとしています。

たとえば化粧品関係で言うと、2021年には「化粧品監督管理条例」と「化粧品登録備案管理弁法」が施行され、化粧品関係の会社が新設しやすくなったんです。

各業界で、商品の品質も上がっていて、以前のように「安いけれど品質は海外製品と比べて劣る」というイメージではなくなっています

クリスク
クリスク

ECサイトでも、「日本製だから品質がいいよ!」という売り方はしにくくなっていくのでしょうか。

田
デン

そう思います。
ライブコマースでも、海外ブランドに人気が集中していた衣類用洗剤の分野で、国内の老舗メーカーが再注目されるようになっています。

社員のおじさんたちがライブ配信に出演したり、インフルエンサー(KOL)を使ったり、消費者の声を聞いて新しい製品を開発したりと、マーケティングにもかなり力を入れて会社を立て直したんです。

海外ブランドと比べて価格が安いのも、今の消費者に受けています。
https://36kr.jp/24395/

クリスク
クリスク

節約志向が高まる中では、品質がよければ安く買える国内製品のほうがいいということですね。

田
デン

加えて、プロモーションの工夫も重要です。

ユーザーを巻き込んだ商品開発など、ストーリー性があって、感情を動かすような売り方がポイントになると思います。

クリスク
クリスク

ゆるふわキャラクターの人気と同じく、エモ消費を意識することが大切だと。

田
デン

そうですね。

 

まとめ:今こそ中国市場への認識をアップデートしよう

コロナ禍前までは、「中国人といえば爆買い」「日本製品は品質のよさで人気」といったイメージが広まっていましたが、それも過去の話となっているのが現状とのこと。
クオリティが重視される消費傾向は日本にとっては追い風にもなるはずですが、中国ブランドの品質向上や、政府の後押しがあることも念頭に入れる必要がありそうです。
越境ECをはじめ中国進出や中国での販路拡大を考えているのであれば、今までの中国に対するイメージを払拭し、現地ではどんなプロモーションが成功しているかにも注目しつつ、戦略を練っていくべきでしょう。

クリスクでは、現地スタッフやパートナー企業から各国の最新情報を収集し、マーケティングに活用しています。中国をはじめアジア各国に進出を考えている企業の方は、ぜひお問い合わせください!
(編集協力:大西 桃子)

※本文内で引用されている資料・データ、登場する人物の所属名・役職名などは掲載当時のものです。

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この記事を書いたのは

東南アジア・東アジアのマーケティングに携わり12年!
タイから始まりベトナム・マレーシア・インドネシアにもオフィスを構え、現地メンバーと日本のディレクターチームとで東南アジア・東アジアでの集客・プロモーションを支援しています。

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