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人気すぎて東南アジアから逆輸入!『summertime』作曲者・原田夏樹に聞くSNSでのブレイク理由

世界で8億人のユーザーが利用するTikTokで東南アジアのブームを受けて逆輸入され、現在話題となっている楽曲『summertime=kimi no toriko』。作曲者・原田夏樹さんにSNSでのブレイク理由や楽曲制作などのついてインタビューしました。

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インターネットやSNSの普及で、色々な分野で世界中の距離が縮まりました。

その結果、日本のコンテンツが日本国外でブームになり、日本に逆輸入されるという事象も頻繁に見られるように。
そんな海外のSNSでのブームを受けて逆輸入され、現在話題となっている楽曲『summertime=kimi no toriko』を皆さんはご存知でしょうか。

この曲は、もともと日本のアーティスト「evening cinema」と「cinnamons」がコラボレーションして作った『summertime』という作品でした。

この曲を元に、インドネシアの人気TikTokerが『kimi no toriko』としてアレンジを公開したことで、一気に人気に火がつきました。そして若者に人気のアプリTikTokで、『kimi no toriko』を使った投稿動画の合計視聴数が1億8千万回に迫り、毎日10万本の動画あがるほど人気となったのです。

引用元  TikTok

このTikTok上での人気を受けて、日本の有名人もTikTokやInstagramなどで「踊ってみた」動画をアップするなど、逆輸入する形で日本でも話題となっています。
例えば、日本の人気モデル・トリンドル玲奈さんのInstagramでの投稿の再生回数は約52万回に上っています。

 

今回は、この『summertime=kimi no toriko』がどのようにして東南アジアで人気になっていったのか、そしてその戦略や東南アジアの音楽について、『kimi no toriko』の原曲『summertime』を作られたシティポップバンド「evening cinema」のボーカル兼コンポーザー・原田夏樹さんにお話を伺いました。

なぜこんなに人気に?

原曲である『summertime』は、2018年12月12日に日本で発表されました。それがなぜ2020年になってなぜ東南アジアでこんなに人気になったのでしょうか。

それはまさに、現代を代表するワード、SNS・インフルエンサー・グローバルがキーワードとなり世界に拡散していったのです。

 

▼『kimi no toriko』が東南アジアで人気となった経緯詳細

▼きゃりーぱみゅぱみゅさんが投稿したTikTok動画

@kpp2179393999

 

♬ original sound – zoequeen0

 

音楽配信サービスSpotifyの「バイラルトップ50」には、各国のSNSでの話題などを元に、その期間に最もホットな曲が集まっています。
日本では、瑛人 『香水』やYOASOBI『夜に駆ける』などが 「バイラルトップ50」 へランクイン後にトップチャート入りするなど、人気の先行指標として注目されています。

それではいよいよ、シティポップバンド「evening cinema」のボーカル兼コンポーザー・原田夏樹さんへお話を伺っていきましょう。

向かって右から2番目がボーカル兼コンポーザーの原田夏樹さん

<evening cinemaプロフィール>
2015年にボーカル兼コンポーザー原田夏樹を中心に結成されたネオシティポップバンド。2016年7月に1stミニアルバム 『Almost Blue』でデビュー後、原田氏が作る楽曲の音楽性や高い演奏力などが音楽関係者を中心に高い評価を受けて、注目を受けている。バンド活動だけでなく、原田氏は女性アーティストへの楽曲提供なども行っている。

2020年7月22日に新曲「大人になるまで」リリース。
https://friendship.lnk.to/Otonani_narumade
2020年8月26日にミニアルバム「AESTHETICS」リリース予定。
https://friendship.lnk.to/AESTHETICS

ブレイクの理由は、楽曲?SNS?インフルエンサー?

── 自分が作った楽曲が東南アジアでバズを起こしていることをどう感じていますか?

びっくりしている、というのが正直な気持ちですね(笑)

最近は、東南アジアだけでなく、日本でもTikTokなどで動画が投稿されるようになってきているので、だんだんと楽曲が世の中に伝わってきていると実感するようになりました。

── 今回、自分の楽曲が東南アジアでこれだけ人気が出た理由をどう分析されていますか?

まずは、TikTokなどのSNSとSpotifyなどの音楽配信サービスの影響は大きいですよね。あとは、インフルエンサーの人たちの影響力。
『summertime』も、きゃりーぱみゅぱみゅさんが日本で投稿したものがベトナムの有名人に伝わり、それが東南アジアに広まって『Kimi No Toriko』になって日本に戻ってきて、また広がるという流れが非常に興味深いですよね。

── インフルエンサーの推進力と、SNSの拡散力が合わさったということですね。楽曲的な面で、何かバズを意図した点はあるのでしょうか。

「良い音楽を作る」というのが一番大切なことなのは言うまでもないのですが、自分がメインで歌うのではなく、コラボした「cinnamons」のボーカル・鈴木まりこさんが気持ちよく歌えるようなキーや音階で作ったことが大きいと考えています。

ボーカルの音階的には、日本の演歌や歌謡曲に使われているようなシンプルな音を使って作曲しているので、それが東南アジアの人たちの琴線にも触れたのではないでしょうか。

ただ、音作り的としては、わかりやすいボーカルの音を支えている伴奏のピアノは同じフレーズを単純に繰り返すのではなくて、小節が変わるごとに少しコードの構成音を変えたものを使うなど、耳に引っかかるような仕掛けなどもしています。

また、曲のイントロを15秒以内に収めるといったSNS(TikTokなど)でのシェアも少し意識はしました。

日本・東南アジアのミレニアル世代の感覚とは?

── 東南アジアの人たちがカバーした動画などを見て、どう感じていますか?

面白いなと思ったのは、原曲のキーとくらべて少し音が高くカバーしているものがあります。具体的には、最初の音が2度分違うんです。また、インドネシアやフィリピンなどでカバーされた動画は原曲に比べて、少しテンポが遅くなったりもしています。
この2度の高さやテンポの違いが、日本と東南アジアの音楽に対する気持ち良さの感覚の違いなのかなとも感じています。

ちなみに歌っていただける方へ僕から何かワンポイントお伝えできることがあるとしたら、この曲の「君のとりこに〜」の部分は、実は音をはっきりさせて歌わないほうが、綺麗に可愛く聞こえるんですよ(笑)。
曲も曖昧な感情を歌っているので、音を一音一音、はっきり歌うというよりは、少しぐらいくぐもらせて歌う感じのほうが、雰囲気が出ると思います。

── 原田さん自身も20代ですが、日本と東南アジアのミレニアル世代を比べてどう感じますか?

台湾やタイのミュージシャンと話したり、現地の音楽を聴いたりしていると、アメリカなどの世界の最先端の音楽を吸収して、自分たちの音楽へと消化するセンスは、日本より先をいっていると思います。
ただ、そういう彼らが日本の80年代のシティポップなどを聴くのが新鮮だと言っているのが、非常に面白いですね。

SNSやSpotifyなどの音楽配信サービスを通して、世界中の最先端も昔の音楽に触れられる状況にはなってきているので、その中から面白い音楽を生み出していけたらよいかなと思っています。

── 最後に今後の活動について、教えてください。

今は、新型コロナにおける影響でライブができない状況なので、自宅でひたすら曲づくりをしていますね。あとは、せっかくなので『summertime』をカバーしてくれた海外の方とのマッシュアップ動画を作ったりして、楽しんでます(笑)

「evening cinema」としては、自分たちの新曲やアルバスのリリースがあります。個人としても、日本のアーティストさんへの楽曲提供などの活動なども行っています。
あとは、今回の『summertime』のヒットを受けて、東南アジアでのプロジェクトを計画中です。

コロナの状況が落ち着いたら、東南アジア各国でライブをして、『summertime』や僕らの楽曲を現地の人たちに聴いて欲しいですね。それまで、曲づくりを頑張るので楽しみにしててください!

東南アジアで日本の楽曲が受け入れられるためには

原田さんへのインタビューから、東南アジアで日本に楽曲が受け入れられる要素を分析してみました。

  • 現地のインフルエンサーなどがシェアしたくなる音楽性・トレンド性の高さ
  • キーの高さ、テンポなどを変えても原曲のイメージを損なわないわかりやすいメロディー
  • TikTokなどSNSでシェアしたくなるキャチーでポップな曲調
  • Spotifyなどの音楽配信サービスの活用

もちろん、『summertime=kiminotoriko』が楽曲として魅力的であったということは、言うまではありません。
しかし、今回のヒットの要素として、コロナショックで世の中が厳しい状況下にあるため、人々がハッピーな気分になれるようなポップソングを求めていたということも大きな要因かもしれません。

世界をハッピーにできる素晴らしい音楽。

世界へ向けて発信し、拡散させる仕組みを見出すことで、日本だけにとどまらず、より多くの人の元へ届けることができるのではないでしょうか。

(編集:きたざわあいこ)

※本文内で引用されている資料・データ、登場する人物の所属名・役職名などは掲載当時のものです。

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この記事を書いたのは

東南アジア・東アジアのマーケティングに携わり12年!
タイから始まりベトナム・マレーシア・インドネシアにもオフィスを構え、現地メンバーと日本のディレクターチームとで東南アジア・東アジアでの集客・プロモーションを支援しています。

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