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「タイと日本を音楽でつなぎたい」 音楽ユニットYuruがタイでファンを獲得した理由

日本ではあまり聞き慣れないタイ・ソングを、日本語でカバーすることで人気となったアーティストがいることをご存知でしょうか。彼らの名前はYuru(ゆる)。今回は、なぜ2人がタイ・ソングをカバーしようと思ったのか、タイでの活動が軌道に乗ったのは何がきっかけだったのかなど、いろいろなことを兄でもある山本 優生(ゆうせい)さんにお聞きました。

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こんにちは!
クリスクの白似田(しらにた)です。

みなさんは、タイの音楽を聞いたことがありますか?

日本ではあまり聞き慣れないタイ・ソングを、日本語でカバーすることで人気となったアーティストがいることをご存知でしょうか。

右から優生さん、龍生さん
引用元)http://yuru2010.com/

彼らの名前はYuru(ゆる)。タイで開催されている『バンコク日本博』や『JAPAN EXPO』などのメインステージへの出演も果たした、日本とタイで活動中の山本優生(ゆうき)、龍生(たつき)の兄弟からなる弾き物語ユニットです。

今回は、なぜ2人がタイ・ソングをカバーしようと思ったのか、タイでの活動が軌道に乗ったのは何がきっかけだったのかなど、いろいろなことを兄でもある山本 優生(ゆうき)さんにお聞きました。

兄弟ユニットYuru(ゆる)
大阪で2010年に結成。路上ライブから活動をスタートし、その後は大阪でのホールライブや全国路上ライブなど精力的に展開。2016年には、クラウドファウンディングを活用した自主映画制作&映画館ライブなどを行う。
2017年より、本格的にタイ人アーティスト曲の日本語カバーをYoutube上で配信をはじめる。タイ・バンコクで開催された『JAPAN EXPO』『バンコク日本博』に出演。2019年2月には、タイでの単独ライブを開催予定。

── タイ・ソングをカバーしたきっかけはなんだったのでしょうか

優生さん 「音楽活動を続けていく中で、新しいことにチャレンジしたいという思いが出てきました。そこで、カバー曲をYoutubeで発表してみたらどうだろう? というアイデアが出たのがきっかけです。

タイ・ソングをカバーしたのは、音楽性はもちろんですが、MV(ミュージック・ビデオ)の物語性に魅力を感じたからです。僕らは、音楽の背景にあるアーティストの考え方や生き方など、その人が生きてきた『物語』に強い興味とこだわりがあります。

2017年には音楽を通して自分たちの物語と伝えるという意図で、自分たちの生き方をモチーフにした映画を制作したほどです。そういう中で、タイの音楽や物語性に強く魅かれたんですよね」

── てっきりタイのルーツや、タイの思い出などがあってカバーをはじめたと思っていました。

優生さん 「いえいえ、開始当初はタイ語もまったくわかりませんでした。そのため、最初にタイの歌をカバーした時は、Google翻訳を使って歌詞を翻訳してました。

タイ語から日本語での翻訳は正確ではないですが、意味がわかるところから歌詞の内容を考え、しっかりわかるまで本当に何度もMVを見て翻訳していましたね。今は、タイ人の方も増えてタイ語歌詞の意味なども教えてもらえますが、当時はタイ人の知り合いもいないのでゼロからの翻訳でした」


はじめてカバーしたタイのバンド・COCKTAILの「チャーンマン」

── カバーした時の反応はどうでしたか?

優生さん 「最初は、まったく反応がなかったですね。やっぱりそんな簡単には聞いてもらえないなぁと思っていたそんなある日、朝起きたらスマホに凄い量の通知が着ていたんです。

Youtubeを見ると、なんと1日で3万再生もされていました。何事かと思ったら、なんと僕らがカバーしたタイ人アーティストが自分のSNSで紹介してくれていたんです」

── そこから、一気にタイでのライブにつながったんですか?

優生さん「いえいえ、そうは簡単に行かないですよ~(笑) カバーはじめて、タイの方からのSNSでの反応が増えてきたので、まずはタイに行ってみようということで2017年6月にバンコクに行きました

Youtubeでの再生数もそれなりにあったので、ファンイベントもそのタイミングで企画しました。でも、ファンイベントの告知などもしっかりせずに本当に行き当たりばったりで行ったので、イベントに集まってくれたのは3人。その時手伝ってくれた方が日本関連イベントにつながっていて、紹介してくれました。」

── ドラマみたいな話ですね。

優生さん 「そうですね。ご縁というか、人のつながりの不思議さを感じますね。それが2017年7月にバンコクで開催された『ジャパンエキスポインタイランド』(※1)でのライブにつながりました。

当初は、サブステージだけの予定がなんとメインステージでも演奏させてもらえることに。更には、タイで開催される別の日本関連イベントでも演奏させてもらい、いろいろな活動がはじまりました」

※1『ジャパンエキスポインタイランド』は、タイ・バンコクで開催されている日本関連イベント。2017年の来場者は、2日間で9万7千人。
参考)http://japanexpothailand.jp/

──メインステージでのライブは凄いですね! タイでも大人気のBNK48なども出演してましたよね!

優生さん 「自分たちが一番びっくりしてました(笑) 数万人が来るイベントのメインステージでのライブ、しかも海外ですからね。

『ジャパンエキスポインタイランド』でライブするのは初めてだったんですが、お客さんの熱気にびっくりしました。また、その時はカバー曲の演奏は1曲しかやらなかったんですが、タイのお客さんが僕らのオリジナルソングにも本当に温かい反応をしてくれました。

ファンミーティングでも僕らのライブを心待ちにしていたと言ってくれる方が多くて、本当にタイでライブを出来て良かったですね」

「ジャパンエキスポインタイランド2017」でのファンミーティングの様子。タイ人のファンが長蛇の列。

── 2018年には『バンコク日本博』でタイの人気グループ「Room39」のTomと共演したんですよね。

タイの人気グループ『Room39』のTomとの一枚。『Room39』は、タイの各音楽賞を受賞し、Facebookのフォロワー約222万を誇るタイを代表するポップグループ。Tomは、タイの人気音楽番組への出演をきっけかに大ブレイクし、広告やCMなどで大活躍中。

優生さん 「実は、Tomさんとの共演も直前に決まりました。Tomさんが『バンコク日本博』のオープニングセレモニーに出演することになり、僕らと一緒に『Room39』の曲を演奏することになりました。Tomさんとも本番当日が初対面で、リハーサルをして、すぐに本番という流れでしたね」

── Tomさんの人気は凄いですよね。僕も会場にいたんですが、Tomが出てきただけでタイ人女性の歓声が会場全体に響いてました(笑)タイの大人気曲を日本語のカバーで歌うことのプレッシャーはなかったですか?

優生さん 「プレッシャーというよりは、むしろ嬉しいという感情のほうが強かったですね。僕らがカバーしている原曲のアーティストも非常に好意的ですし、ファンの方も本当に喜んでくれていると実感しているので」

── 共演した際、Tomさんが優生さんにマイクを向けていて、お互いにリスペクトしながら共演している姿が印象的でした。

優生さん 「Tomさんはタイを代表するようなスターなのに、フレンドリーで関係者だけじゃなくファンの方に対しても自然体で接している姿が印象的でした。

また、演奏したRoom39の曲を来場したファンのみんながタイ語で合唱する様子は圧巻でした。本当にタイ人に愛されてる楽曲だと実感しましたし、日本語でカバーすることの意味を再確認できたと思っています。

本当に自分たちがカバーする曲やアーティストへの『愛』、タイの人たちに対する『感謝』、日本語で歌うことで日本とタイをつなぐことへの『想い』。そういうものを、音楽を通じてこれからも表現していきたいですね」

── 2019年は、どのような活動を予定されていますか?

優生さん 「2019年2月2(土)にタイ・バンコクでの限定ライブを開催します。また、タイ人ミュージシャンやインフルエンサーとのコラボ企画なども計画中です。
これからも、僕らを通して一人でも多くの人にタイの歌やタイのことを知ってもらえると嬉しいです!」

── 楽しみにしています! ありがとうございました!

※本文内で引用されている資料・データ、登場する人物の所属名・役職名などは掲載当時のものです。

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