
こんにちは、クリスクアジア編集部です。
中国向けプロモーションの話題になると、「RED(小紅書)は若い女性向けの映えSNSですよね?」と聞かれることがあります。ただ、実際に現場でRED施策を運用している立場から見ると、その認識はすでに少し古くなっています。
現在のREDは、「流行を作るSNS」というよりも、「買う前に必ず調べる意思決定プラットフォーム」へと、明確に役割を変えています。
当記事では、株式会社篤月さんとご一緒に取り組んできた、直近1年のRED(小紅書)の実案件を振り返りながら、現場で見えてきたREDの変化と、2026年に意識すべきポイントをコラム形式でまとめました。
▼ RED(小紅書)を活用した現場視点での中国人向けマーケティングの成功ポイントは、以下の記事で解説しています↓
「おすすめを見るSNS」から「検索して比較するSNS」へ
RED(小紅書)のユーザー属性自体は、これまでと大きく変わっていません。
現在も中心となっているのは、以下のような層です。
- 20〜40代女性
- 都市部在住
- 購買力・情報感度が高い層
プラットフォームの主な利用者像は従来と同様ですが、注目すべきなのは、その「使われ方」に大きな変化が起きている点です。
以前のREDは、タイムラインに流れてくる投稿をなんとなく眺める、「おすすめを見るSNS」としての側面が強いサービスでした。KOL(キーオピニオンリーダー)や人気投稿を起点に、偶発的に商品やブランドと出会い、気になった情報を保存しておく、といった使われ方が一般的だったと言えます。
しかし現在は、商品名やカテゴリ名で検索し、複数の口コミや投稿を比較したうえで、「納得してから買う」ための購買前行動の一部として活用されています。良い点だけでなく、デメリットや注意点も含めて情報を確認し、自分なりに判断するための、より実用的な情報収集ツールへと位置づけが変化しているのです。
こうしたユーザー行動の変化を受けて、RED側も検索導線の強化や、広告色の強い投稿の抑制、「真实体验(リアルな体験)」を重視するアルゴリズムへの調整を進めています。その結果、単におすすめするだけの投稿よりも、保存されやすく、後から見返されるような具体性・体験性のある情報が評価されやすい設計へと移行しています。
再生数より保存率が効いてくる理由
ここ1年で実施してきた複数のRED(小紅書)案件を振り返ると、共通する傾向が見えてきました。
再生数が突出して高い投稿でなくても、保存率やコメント率が高い投稿ほど、検索露出 → 店舗来訪 → 購買にへつながりやすいという点です。
REDにおいて保存という行為は単なるリアクションではなく、「あとで買うかもしれない」「失敗したくないから取っておきたい」という、検討フェーズに入ったサインと捉えることができます。
実際、REDでは保存率が高い投稿ほど検索結果内で再表示されやすく、他の投稿と並んで比較される機会も長く残ります。そのため、一時的な再生数よりも、どれだけ“検討用の情報”として価値を持ったかが、後の行動に大きく影響します。
こうした点を踏まえると、REDにおいて保存やコメントのエンゲージメントの高さと購買検討度の高さはイコール関係であると言っても過言ではありません。

インフルエンサー施策の“本当の評価軸”
もう一つ、REDにおけるインフルエンサー施策で見逃せない重要な変化が、インフルエンサー投稿後のUGC(一般ユーザーによる自然投稿)です。
成果が出た施策ほど、インフルエンサー投稿のあとに、一般ユーザーの投稿が増える傾向がありました。
たとえば、「◯◯さんの投稿を見て買いました」「REDで調べて、◯◯で購入しました」といった投稿が、インフルエンサー投稿を起点に自然と増えていきます。
このUGCが増えることで、指名検索が増加し、関連キーワードでの検索露出が広がり、さらに店頭での来訪や購買行動も活発になるという好循環が生まれます。
こうした流れを踏まえると、インフルエンサー施策の評価軸は、投稿単体の再生数や一時的な話題性だけではなく、口コミの連鎖をどれだけ生み出せたかへと移りつつあると言えるでしょう。
REDで売れる投稿に共通するリアルさ
REDで実際に購買につながった投稿を振り返ると、以下のような共通点が浮かび上がってきました。
- 誇張した表現を使っていない
- 実際に使った感想がベースになっている
- 使用シーンが具体的にイメージできる
- Before/Afterの変化が分かりやすい
いわゆる上手な広告表現よりも、失敗したくない人の視点で語られている投稿の方が、圧倒的に信頼されやすいのです。
つまり、REDユーザーが求めているのは、売りたい情報ではなく、自分と同じ立場の人のリアルな判断材料なのだと感じます。
ブランドがREDで意識すべき3つの視点
RED施策で重要なのは、「何を伝えるか」よりも、「ユーザーにどう理解されるか」という点です。
特にREDでは、情報をそのまま受け取るのではなく、検索し、比較し、納得したうえで選ぶユーザーが多いため、以下の3つの視点は欠かせない要素となります。
- 1. ブランドストーリー
この商品が生まれた背景や、誰のどんな課題を解決するためのものなのか。
- 2. 成分や効果の伝え方
専門用語ではなく、なぜ効くのかやどう役立つのかといった生活者の目線でわかりやすく説明すること。
- 3. 世界観と日常生活の接点
ブランドの理想や価値観が、ユーザーの日常にどうなじむのかを丁寧に描くこと。
つまり、REDは露出すれば選ばれるプラットフォームではなく、きちんと理解されてはじめて選ばれるプラットフォームだと言えます。

まとめ:REDは投稿するSNSではなく、設計するメディア
2026年のRED施策は、もはやREDだけで完結するものではありません。REDでの認知や理解を起点に、検索による比較検討、他のメディアでの信頼形成、そして店舗での購買へとつながります。
つまり、REDはその一連の行動の「入口」として機能しており、一連の行動導線を設計することが求められているのです。
実際、成果が出ている案件ほど検索やUGC・他メディアとの接点まで含めた統合的な設計がなされていて、この違いが最終的な成果を大きく分けています。現場でREDを運用している私たちの実感としても、REDはとりあえず投稿しておくSNSではなく、戦略的に活用すれば、今なお中国市場で最も購買に近いプラットフォームであり続けています。
こうした背景を踏まえると、REDを活用した施策は、訪日中国人に向けたマーケティングにおいて、今なお有効性の高い選択肢だと言えるでしょう。
昨年は日中関係の影響もあり訪日インバウンド市場において中国からの動きに変化が見られましたが、民間レベルに目を向けると、中国人個人旅行者(FIT)を中心に「日本を訪れたい」という潜在的な需要は、継続して存在しています。
情勢に左右される側面はあるものの、日本の文化や体験価値が中国の旅行者にとって大きな魅力である点は変わりません。今後は、団体旅行に依存しない個人旅行を前提に、旅行前の情報収集段階から接点を持てるメディアやプラットフォームの重要性が、より一層高まっていくと考えられます。
その中で、実体験ベースの情報が蓄積されるREDは、訪日意欲の醸成から行動につなげるための有効なタッチポイントとなり、日中観光における新たな可能性を広げていくのではないでしょうか。
クリスクアジアでは、現地スタッフやパートナー企業から各国の最新情報を収集し、マーケティングに活用しています。
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