
こんにちは!クリスク・ジャパン編集部です。
訪日タイ人旅行者は年々増加していますが、その旅行スタイルやホテル・旅館の選び方は大きく変化しています。
今回は、クリスクタイの現地スタッフに対して実施したアンケート調査をもとに、タイ人旅行者のリアルな行動と意思決定の背景を紐解いていきます。この記事では、タイ人旅行者の予約行動から、ホテル選びの基準、そして実際に予約につながる情報発信の考え方までを解説します。
- タイ人旅行者の約92%が個人手配(FIT)という実態
- ホテル・旅館選びで100%が重視する「駅チカ」の意味
- なぜ立地の良さが伝わらないのか
- MEO・SNSを活用した予約導線の作り方
立地が良いはずなのに予約につながらない、OTA依存から抜け出したいといった課題をお持ちの方にとって、実務に活かせるヒントになれば幸いです。
タイ人の92%が個人手配
今回の調査でまず見えてきたのは、旅行手配のスタイルです。約92%がインターネットを活用した個人手配(FIT)で旅行を計画しているという結果になりました。これは、旅行会社に任せるのではなく、自分で情報を集め、日本のホテル・旅館を比較しながら選ぶスタイルが主流になっていることを意味します。
実際の行動としては、Google検索で候補を見つけ、OTAで価格や写真を比較し、さらにSNSで口コミや動画を確認するという流れです。スマートフォンを使った情報収集は日常的で、移動中や空き時間にホテルを見比べることも珍しくありません。
こうした状況では、単に見つけてもらうだけでは不十分です。その場で納得し、選ばれるだけの情報が揃っていなければ、比較の中で簡単に別のホテルへと移ってしまいます。これがFIT時代の意思決定の特徴です。

日本のホテル・旅館は駅重視
もうひとつ印象的だったのが、ホテル・旅館選びで100%が「駅チカ」を重視しているという結果です。サンプル数の問題もありますが、外れ値がなく。ここまで一致する項目が生じるのは珍しい結果です。駅からの距離は単なる条件ではなく、ほぼ前提になっているといえます。
ただし、この「駅チカ」は単なる利便性ではありません。タイ人旅行者にとっては、迷わず移動できるか、確実に目的地へたどり着けるかといった安心感の指標として捉えられています。その背景には、普段の移動環境との違いがあります。
東南アジアの配車アプリ事情
タイ人旅行者の移動感覚を理解するには、日常的に使っている交通手段を見る必要があります。
タイでは「Grab(グラブ)」が最もポピュラーな配車アプリとして広く使われており、日常的に車やバイクを呼んで移動する文化が定着しています。「Bolt(ボルト)」はGrabよりも料金が安い場合があり、用途に応じて使い分けられています。また、「Maxim」といったローカルアプリもあり、より安価な移動手段として利用されることもあります。
同様の構造は東南アジア各国でも見られます。
マレーシアではGrabが圧倒的なシェアを持ち、AirAsia RideやMyCarといったサービスも利用されています。ベトナムではGrabに加え、EVタクシーのXanh SMやローカルアプリのBeが使われています。インドネシアではGojekとGrabが二大アプリとして存在し、バイク配車のGoRideや老舗タクシーBluebirdのアプリも日常的に利用されています。
このように、東南アジアでは配車アプリが生活インフラとして定着していますが、国ごとに主流のサービスは異なります。つまり、Uberのような単一サービスが共通インフラとして使われているわけではありません。そのため旅行者にとっては、普段使っている移動手段がそのまま再現できないという状況が生まれます。
一方、日本にもGOやUber Taxi、DiDi、S.RIDEといった配車サービスは存在していますが、東南アジアほど生活インフラとして浸透しているとは言えません。料金や使い方への不安もあり、訪日外国人にとってはハードルが高い場合があります。
別の調査では、半数以上の訪日外国人が日本のタクシーを「料金が高い」と感じているという結果もあり、積極的に利用されにくい傾向があります。こうした違いから、日本滞在中は電車移動が中心となり、駅からの距離が「確実に移動できるかどうか」を判断する重要な基準になります。

立地の良さが伝わらない理由
ここで課題になるのが、立地の伝え方です。多くのホテルでは「駅から徒歩5分」といった形で情報が提示されていますが、FITで旅行するタイ人は駅からホテルを探しているわけではありません。
実際にはGoogle Map上でホテルを一覧表示し、価格や口コミ、写真を見ながら比較しています。このとき、「徒歩5分」という情報だけでは、実際の移動イメージは十分に伝わりません。例えば東京都内は坂が多く、スーツケースを持って歩くと体感は大きく変わります。夜になると雰囲気が変わるエリアもあり、安心して歩けるかどうかも重要な判断材料になります。
さらに、エリアの選ばれ方にも特徴があります。浅草周辺では、田原町や浅草橋、入谷といった周辺エリアのホテルが選ばれるケースが多く見られます。これは浅草そのものではなく、アクセスしやすい場所を基準に選んでいるためです。つまり旅行者は、エリア名ではなく移動のしやすさを基準にホテルを選んでいます。
そして比較の場面では、価格・立地・写真・口コミが並びます。その中で一目で理解できない情報は、それだけで不利になります。立地が良くても、その良さが直感的に伝わらなければ選ばれないのです。

予約につながる立地の伝え方
では、立地の良さはどのように伝えるべきなのでしょうか。重要なのは、地図では分からない体験を補うことです。
駅からホテルまでの徒歩動画やルート写真、利用する出口の情報などを提示することで、移動のイメージは一気に具体的になります。また、コンビニや飲食店、夜の明るさといった周辺環境も、安心して滞在できるかどうかを判断する重要な要素です。
さらに、これらの情報は公式サイトだけでなく、YouTubeやInstagram、TikTokといったSNSでも発信することが効果的です。旅行前にSNSでホテルや周辺環境を確認するユーザーは多く、「行きやすそう」「安心できそう」と感じた段階で、予約候補に入ることも少なくありません。
また、ここで重要なのは、集客導線が変化しているという点です。従来はOTA中心でしたが、現在はGoogle Mapで探し、SNSで確認し、その後予約するという流れが一般的になりつつあります。そのため、OTAだけに依存した情報設計では、検討の初期段階に入り込むことが難しくなっています。

まとめ:「駅チカ×可視化」が勝ち筋
今回、クリスクタイの現地スタッフに実施したアンケートから見えてきたのは、非常に明確な事実です。タイ人旅行者の約92%が個人手配でホテル・旅館を選び、さらに100%が駅チカを重視しているという結果になりました。
この2つのデータが示しているのは、旅行者が自ら情報を探し、比較しながらホテルを選ぶ中で、「駅からどれだけ近いか」が最も重要な判断基準になっているということです。
ただし、その判断はテキスト情報だけで行われているわけではありません。Google Mapで位置を確認し、SNSで雰囲気や導線を見て、実際の移動や滞在をイメージできた施設が選ばれています。つまり、立地の良さそのものではなく、「立地の良さをどう伝えているか」が選択を分けているのです。
そしてもうひとつ重要なのは、旅行者の行動がすでに変化している点です。OTAで比較される前に、Google Mapで見つかり、SNSで確認される。その段階で候補に入るかどうかが決まり、その後に予約されるという流れになっています。
この構造を踏まえると、これからのホテルマーケティングに求められるのは、駅から近いことを伝えるのではなく、「駅からどう近いか」を体験として見せることです。そして、その情報をGoogle MapとSNSの両方で届けることが重要になります。
今回のアンケート結果は、その方向性が正しいことを示しています。立地という強みを見える形にできているかどうか。それが、FIT時代における直接予約の差を生むポイントになっていきます。
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