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アフターコロナのインバウンドはどうなる? マーケ施策のヒントは”贅沢”と”地方”

旅行業界の専門家の予測によると、アフターコロナの旅行スタイルは大きく変わっていきます。その変化を先読みし、訪日向けのインバウンドマーケティング戦略を見直すことが、今から重要な取り組みの一つと考えられます。アフターコロナの旅行スタイルやマーケティング方法はどうなるか紹介します。

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こんにちは、クリスク・ジャパンのリュウです。

新型コロナウイルスの影響により、私たちの生活スタイルは大きく変わりました。

企業活動にも多大な影響を与えましたが、中でも旅行業界・航空業界へのダメージは非常に大きいものとなっています。

そんな中、旅行業界の専門家らがアフターコロナの旅行スタイルがどのように変化するかという見方を示しています。

AirbnbのCEO兼共同創業者ブライアン・チェスキー (Brian Chesky) 氏は6月末のインタビューで、アフターコロナの旅行スタイルの変化について、「(ビフォーコロナの)従来の旅行スタイルはもう適用できない」と、未来の旅行予測を語りました。

彼や他の専門家が予測するアフターコロナの旅行スタイルについての意見を簡単にまとめると主に以下の3つの方向が見えてきます。

  1. 行き先の変化:都市から地方(田舎)へ
  2. 旅行者の変化:団体客から小人数・富裕層へ
  3. 予約システムの変化:事前予約OK・柔軟なキャンセルポリシーが人気に

この記事では、上記3つの変化の詳細と今後の旅行業界がアフターコロナに向けてどのようなマーケティング対応策を行っていくことが求められているかについてを説明したいと思います。

アフターコロナの訪日旅行スタイルはこう変わる

JIMCが行った「外国人に対するアフターコロナの訪日意欲調査」によると、台湾、香港、タイなどの訪日上位国における、新型コロナウイルス収束後の訪日意欲は依然高いままだということがわかりました。

引用元: https://jsto.or.jp/wp-content/uploads/e24b8bc25446ef0b1f0c2f9b1acc72e6.pdf

このことから、コロナウイルス収束後には訪日客が戻ってくる可能性は高いと言えるでしょう。しかし、専門家によればコロナの影響で従来の訪日旅行スタイルは以下のように変化すると考えられています。

変化① 行き先の変化:都市から地方(田舎)へ

アフターコロナの旅行者は、人と人の接触をなるべく減らすため、旅行の目的地を三密(密閉、密集、密接)が回避できるような場所を選択するようになります。

例えば、これまで人気の観光地であったパリ、ローマ、ロンドンなどの都会を訪問する人数は減少。その代わり、開放感があり密集性は低く通風性が高い場所を訪ねる旅行者が増加すると予想されています。
つまりは、自然を楽しめる地方(田舎)観光がアフターコロナでは人気の旅行先になるのです。

そして、空港から地方への移動手段もアフターコロナの旅行方式に合わせて考えみると、電車やバスなど公共交通機関の利用を避け、レンタカーかチャーターカーを選ぶ旅行者も増えるでしょう。

観光地に到着後の滞在方式も、貸し切りコテージや風呂付客室など、なるべく他者との接触を避けプライベート性が確保できるような宿泊施設の人気が増すと考えられます。

変化②旅行者の変化:団体客から小人数・富裕層へ

ブティックホテル専門会社・ミスター&ミセス・スミス (Mr. & Ms. Smith) の創業者であるジェームス・ローハン (James Lohan) 氏は、アフターコロナではビフォーコロナより旅行がより、高価で贅沢なものとなると言います。

コロナ対策で旅行にかかるコストが増大

例えば、ソーシャルディスタンスを維持するため、航空機の販売座席数は減少し、飛行機のチケット代は高騰します。

さらに、ホテルではスタッフとの対面接触を減らすため、全てのサービスがリモート対応で行えるようなリフォームなどが行われる可能性もあります。当然、そのコストは宿泊費用の高騰にもつながり、人気の高い安心な宿泊施設は高額になる可能性があります。

また、海外に行く前にはPCR検査の結果の提出なども必要になるでしょう。そうすれば、健康保険が不適用で高額な費用を自費で負担しなければ行けない国も多いので、それだけ海外旅行のコストはさらに高くなるとも言えるでしょう。

このように、様々な要素においてアフターコロナの旅行はコストが増えるため、より贅沢なものになります。

そのため、アフターコロナの海外旅行客は富裕層がターゲットとなることが考えられるでしょう。

実際に、観光立国であるタイはアフターコロナの外国人向け観光政策は富裕層を狙う方針となり、6月1日から観光業を再スタートしました。

出張の需求が大幅に減少

新型コロナウイルスのパンデミックによって、世界中のホワイトカラーの仕事スタイルはリモートワークや在宅勤務などが主流とになりました。

既に仕事スタイルがオンラインに移行しており、国内・海外出張の各種コストは高まるという予測があるため、対面での商談や出張旅行など従来のビジネススタイルは減少、ニーズも減少することが予測されています。
実際に日本でも、対面商談や国内出張の減少を実感している人は少なくないでしょう。

変化③予約システムの変化:事前予約OK・柔軟なキャンセルポリシーが人気

観光施設や店舗の営業時間についても、政府・自治体などの休業要請などに応じて急に営業時間を短縮、それに伴いサービス内容を変更せざるを得ない場合が起きることが考えられます。

また、観光施設や店舗が営業をしていても、ソーシャルディスタンスを確保による入場人数制限のため、目的の観光施設や店舗に入館・入店できないという自体も発生するかもしれません。

旅行者は、旅行中に予定を変更しなければならない場合、いかに損失を抑えられるかどうかは大きな関心事です。
このような不確定な状況では、座席確保の事前予約が可能、もしくはキャンセル費用無料などのキャンセルポリシーがある店がより人気になるでしょう。

また見知らぬ土地に訪れる海外観光客にこういった予約システムを知ってもらうためにも、各種情報発信などのコミュニュケーション施策は今後さらに重要になることは言うまでもありません。

アフターコロナに向けたマーケティング施策とは

それでは、アフターコロナのインバウンド旅行者に向けた 情報発信・集客施策はどう変えていけばいいのでしょうか?

プロモーション目標は、ビフォーコロナとほぼ同じで「興味喚起」を中心していますが、体験型イベントや旅行博出展など、お客さんと対面コミュニュケーションが取れるオフラインでのプロモーションは、現状できません。

そのため、インターネットを活用したSNSプロモーションなど、非対面・非接触型のオンラインプロモーションがより重要になってきます。

アフターコロナの旅行者の傾向を読み取り、インバウンド向けのオンラインプロモーションを作成するため、国内外の旅行業者や観光施設業者が行っているSNSを活用したプロモーション事例を見ていきましょう。

日本在住インフルエンサーの活用 

日本在住の台湾人インフルエンサーの観光情報発信例(引用元:Alan Channel 阿倫

インフルエンサーを通して、情報発信やコミュニュケーション取るプロモーションは、ビフォーコロナから人気のSNSプロモーション手段の一つです。
しかし、現在は新型コロナウィルスの影響で渡航制限があったため、海外在住のインフルエンサーは日本へ来られません。一方、日本在住の外国人インフルエンサーを起用することでプロモーション施策を行うことは可能です。

日本在住のインフルエンサーが最新のコロナ対策及び観光情報などを発信することで、アフターコロナの訪日客へ信頼感を伝えられます。

また、コロナ前のインフルエンサー選定理由は、フォロワー数やページビュー数などが重要視されていました。
しかしコロナ後に重視すべき点はインフルエンサーの特性です。

フォロワー数が多くなくても、富裕層にターゲットでき地方(田舎)観光情報を積極に発信しているインフルエンサー(Youtuberなど)と連携してオンラインイベント開催するなど、様々なSNSプロモーションの運用手法があります。

バーチャルツアー・生放送配信

コロナ前より注目されているVR動画広告は、現在は最も有効なプロモーション手段と見られています。各国の観光局だけではなく、観光施設や世界遺産なども積極的にVRの観光動画を無料で配信しています。一方、ガイド付きなどの有料コンテンツも行なわれています。

ハワイ州観光局が製作した二泊三日のVRハワイ旅

自宅でバーチャルな旅行体験をしてもらうことで、アフターコロナに観光客を呼び戻す、または潜在客層へ認知を拡大できると考えられます。

そして、コロナの影響で開催中止になった地方イベントもオンラインでの復活が計画されています。

東北三大祭りの一つ、青森県のねぶた祭りは4月に開催中止を発表しましたが、他の祭りと共同開催という形で「#オンライン青森夏まつり」の名で、ワークショップ、競演、観光情報発信など、豊富な内容を三日間の生放送配信で行いました。

無料コンテンツはYoutubeで配信、有料コンテンツはZoomで配信という方式でハッシュタグを活用しながらSNSでのバズを狙いました。

参加型コンテンツ

SNSの参加型コンテンツ事例の中でおすすめしたいのは、SNSユーザーに指定したハッシュタグ付きの投稿やアカウントフォローのアクションを促すことで、コンテンツまたはブランドの世界観に巻き込むことです。

例えば、イギリスにある「ヨークシャー博物館」は「#CuratorBattle」(最も不気味な展示品)や「#BestMuseumBum」(ベスト博物館お尻)などのハッシュタグを使って、他の美術館や博物館を呼びかけて投稿バトルを始めました。

新型コロナウイルスのパンデミックで閉館している博物館や美術館が来館できない方々に楽しんでもらうことができ、認知拡大のメリットが得られるため、アフターコロナ向けのプロモーション手段と言えるでしょう。

参考)https://edition.cnn.com/travel/article/museums-creepiest-objects-twitter/index.html

アフターコロナに向けて今から取り組みを

アフターコロナの旅行は、富裕層や小人数の個人旅行や一人旅に変わり、地方(田舎)観光を行う人が増えるでしょう。

また、変化やすい環境の中、海外旅行の安全性と安定性を確保するため、柔軟なキャンセルポリシーと事前予約可能な旅行プランが望まれると予測されています。

世界中の国が徐々に入出国規制を緩和している現在、アフターコロナの変化を先読みし、インバウンド旅行者に対してマーケティング手法を見直すことが、いまできる重要な取り組みの一つと言えそうです。

(編集:きたざわあいこ)

※本文内で引用されている資料・データ、登場する人物の所属名・役職名などは掲載当時のものです。

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