こんにちは!クリスク・アジア編集部です。
タイ人向けに訪日プロモーションを行う際、「どんなテーマを打ち出せば興味を持ってもらえるのか」と悩む地方自治体や観光事業者の方は多いのではないでしょうか。
実は、タイ人観光客が日本旅行に求めているものには、かなり明確な傾向があります。クリスクタイの現地スタッフに対して実施したアンケート調査を見ると、日本でやりたいこととして、
を選択しています。
つまりタイ人旅行者は、“景色を見るだけ”の旅を求めているわけではありません。美しい自然を見て、その土地ならではの食を楽しみ、最後に買い物まで満喫する。そうした「旅全体の体験」を求めて、日本を訪れているのです。そして今、タイでは、その“地域体験”をSNSで発見し、拡散する力が非常に強くなっています。
以前であれば、海外旅行先として選ばれるのは東京・大阪・京都といった定番エリアが中心でした。しかし最近は、タイ人旅行者自身がSNSを通じて、“まだ知られていない日本”を発掘し始めています。
地方の温泉街。ローカル線の駅。古民家カフェ。道の駅。小さな商店街。
こうした場所が、「日本らしい」「行ってみたい」とSNSで共有され、新たな観光地として広がっていくケースが増えています。ここで重要なのは、単に「絶景がある」だけでは広がりにくいという点です。
タイ人旅行者が惹かれているのは、
がつながった、“地域で過ごす時間”そのものです。
だからこそ今後の訪日プロモーションでは、「観光地単体」ではなく、“地域全体をどう体験として見せるか”が重要になってきます。
この記事では、
✔ なぜタイ人は地方の新スポットを発掘するのか
✔ SNSで広がる地域に共通する特徴
✔ 「自然・食・買い物」が重要な理由
✔ 地域企業同士が連携すべき背景
✔ タイ人向けに必要な発信設計
について、東南アジア市場の現場視点から解説していきます。
訪日タイ人が非常に特徴的なのが「まだ知られていない場所」への関心です。
その象徴的な事例のひとつが、山梨県富士吉田市にある「新倉山浅間公園(新倉富士浅間神社)」です。五重塔越しに富士山を望む、あの有名な景色です。
いまでは“日本を代表する絶景”として世界中で知られていますが、実はこの場所、タイ人観光客のSNS投稿をきっかけに、一気に注目が広がったスポットのひとつでもあります。「富士山と京都みたいな景色が一緒に見える」「これぞ日本らしい風景」そんな投稿がInstagramやFacebookで拡散され、“次に行きたい日本”としてタイ国内で話題になりました。興味深いのは、最初から大規模な広告施策があったわけではないことです。タイ人旅行者自身がその場所を見つけ、写真を撮り、SNSで共有し、“新しい日本”として広げていったのです。
そして、この現象は新倉山浅間公園だけではありません。最近では、「みんながまだ知らない日本」「SNSで偶然見つけた日本」「ローカル感のある風景」を探す動きが、タイでは強くなっています。つまり今の訪日タイ人は、“有名観光地だから選ばれる”とは限りません。むしろ、「その地域でどんな時間を過ごせるか」が、旅行先選びの重要な基準になっているのです。
では、SNS拡散されやすい地域には、どんな共通点があるのでしょうか。実際にタイ人旅行者の投稿を見ていると、ひとつ大きな特徴があります。
それは、“景色だけで終わっていない”ことです。
たとえば、新倉山浅間公園の写真が拡散された背景にも、単に「富士山がきれい」というだけではない魅力がありました。
富士山を見る。そのあと富士吉田の街を歩く。ほうとうを食べる。お土産を探す。温泉へ行く。そうした“旅の流れ”まで含めて、「日本らしい体験」として消費されていたのです。これは、今の訪日タイ人を理解するうえで非常に重要なポイントです。タイ人旅行者は、「どこへ行くか」だけではなく、「そこでどんな1日を過ごせるのか」を見ています。
実際、SNSでも反応が大きい投稿は、単なる観光地写真ではありません。
「朝は湖で富士山を見て、昼は地元カフェへ。帰りに道の駅で限定スイーツを買った」というように、“体験の流れ”が見える投稿ほど保存・共有されやすい傾向があります。
日本側の観光PRでは、
などを、それぞれ単独で発信するケースが多くあります。ですが訪日タイ人の価値観では、それらが“つながっていること”に価値があります。
つまり、「景色を見るために行く」だけではなく、「景色を見て、美味しいものを食べて、買い物まで楽しめる」ことが、旅行先選びの決め手になっているのです。
ここで、地方側が一度立ち止まって考えたいことがあります。
それは、「絶景があるだけでは、旅行先として選ばれにくくなっている」という点です。もちろん、タイ人観光客の約91.7%が「自然・絶景鑑賞」を求めているのは事実です。ですが実際には、“景色だけ”で旅先を決めているわけではありません。
たとえば、SNSで美しい写真を見つけたとしても、「近くに何がある?」「食事は?」「ショッピングできる?」「1日過ごせる?」という情報が見えなければ、“行ってみたい場所”にはなりづらいのです。逆に、訪日タイ人の間で人気が出やすい地域には、“景色の先”があります。
たとえば北海道です。ラベンダー畑の写真だけが人気なのではありません。
そのあとに、
という“体験の連続”があることで、「北海道旅行」が完成しています。つまり、自然は“入口”に過ぎません。
その入口の先に、
がつながっていることで、初めて“旅行先”として魅力が強くなります。
訪日タイ人の間で広がっているのは、必ずしも“特別な観光地”だけではありません。むしろ最近は、日本人にとって何気ない風景が、「日本らしい」として人気になるケースが増えています。
雪が積もるローカル駅。昔ながらの商店街。古い喫茶店。静かな住宅街。田んぼの横を走る電車。
日本人からすると、“当たり前の景色”かもしれません。ですが、タイ人旅行者にとっては、それが「日本でしか見られない風景」になっています。
実際、タイ人ユーザーのSNS投稿を見ていると、
「アニメみたい」「映画のワンシーンみたい」「こういう日本を見たかった」
というコメントが非常に多く見られます。
興味深いのは、“完璧に観光化された場所”よりも、少し生活感が残っている場所の方が反応が良いケースもあることです。つまり訪日タイ人の間では、“リアルな日本”そのものがコンテンツになっています。
ここまで見てきたように、タイでは「地域全体の体験」が評価されています。
そして、その体験はひとつの事業者だけでは作れません。絶景スポットがあり、魅力的な飲食店があり、歩きたくなる商店街があり、最後にお土産を買える場所がある。それらが自然につながることで、“また行きたい旅”になっていきます。
ここで、地方自治体や地域企業が考えたいのが、“競争”ではなく“共創”です。
観光地は観光地だけで発信する。飲食店はグルメだけを訴求する。商店街は買い物だけをPRする。
もちろん、それぞれの努力は重要です。
ですが訪日タイ人向けでは、その分断が見えてしまうと、“旅のイメージ”が作りづらくなります。
逆に、「この景色を見たあと、ここでランチ」「帰りにこの商店街へ」「夜はこの温泉宿へ」
というように、地域内の体験がつながっていると、一気に旅行イメージが具体化します。これは単なる回遊施策ではありません。“地域全体をひとつのコンテンツとして見せる”という考え方です。
では、これから地方自治体や地域企業は、どのように発信していくべきなのでしょうか。ひとつ大きなポイントになるのが、“情報を並べる発信”から、“旅を想像できる発信”へ変えていくことです。たとえば、
朝、静かな湖畔で富士山を見る。昼は古民家カフェで休憩する。夕方は商店街を歩きながらお土産を探す。
こうした流れが見えるだけで、“自分がその場所にいる感覚”が生まれます。タイ人旅行者は、この「想像できる旅」に強く反応しています。
しかも重要なのは、“感情”まで設計することです。
そうした“気持ち”が見える地域ほど、SNSで共有されやすくなります。
そして、その感情を作るのは、ひとつの観光地だけではありません。
地域の飲食店。宿泊施設。商店街。交通機関。地元の人との接点。
それらすべてが重なって、“また行きたい地域”が作られていくのです。
新倉山浅間公園が世界的な絶景スポットとして広がった背景には、タイ人旅行者によるSNS拡散の力がありました。
そして今、タイ市場では、“まだ知られていない日本”を探す動きが加速しています。
その中で重要なのは、単なる観光スポット紹介ではありません。
という、“地域全体の体験”です。
だからこそ地方自治体や地域企業には、「単独で発信する」のではなく、「地域で魅力をつなぐ」視点が求められています。
タイ人旅行者は、次の日本を探しています。その“次の日本”になる地域は、もしかすると、まだ海外で知られていない地方の町なのかもしれません。
現在クリスクアジアでは、タイをはじめとした東南アジア各国に現地スタッフを配置し、生活者視点に基づいたインバウンド戦略支援を行っています。
特に以下のような課題をお持ちの企業様におすすめです。
・訪日客のSNS投稿を増やしたい
・店頭体験を拡散につなげたい
・現地ユーザーの行動に基づいた施策を設計したい
現地のリアルな声をもとに、「売上につながる改善ポイント」を具体的にご提案いたします。
✅ 【無料DL】東南アジア向けプロモーション事例資料
✅ 【相談受付中】インバウンド戦略のオンライン無料相談 (30分)