こんにちは! クリスク・インドネシアのタニアです。
どの国にも、消費者の注目を集めるセールシーズンが1年の間にいくつもあるはずです。インドネシアでも、さまざまなショッピングモール、有名ブランド、小売店が通常毎年セールを開催しています。
インドネシアでは現在、16〜64歳のインターネットユーザーのうち87.1%がオンラインで買い物をしている(DataReportal「Digital in Indonesia: All the Statistics You Need in 2021」)ことから、毎年の商戦期には各オンラインショッピングモールでも大規模なプロモーションが展開されます。
そこで今回は、インドネシアでの注目すべきeコマースセールシーズンをいくつかご紹介します。
期間:4月2日~5月3日(2022年※イスラム暦準拠のため毎年異なります)
ラマダンとイードアルフィトル(ラマダン明けの祭日)は、インドネシアのイスラム教徒にとって特別なタイミングです。ラマダン期間は、信仰と精神性を高める絶好の機会であるだけでなく、支出が急増し、1年でいちばん経済活動が活発化する時期でもあります。
「意味のある贈り物をする」をテーマにしたLazadaラマダンセール広告の例
Eコマースプラットフォームのアクセス数は、ラマダンの第3週までにピークに達します。ただしその後、ラマダンの第4週でも、トラフィックは依然として高いままです。当日配達や効率的で安全な支払いオプションが広まり、ラマダン終了ぎりぎりの駆け込み購入が増えていると考えられます。
オンラインショッピングアグリゲーターであるiPriceとモバイル調査会社のJakpatによる共同調査によると、ラマダン期間中に最も購入された3つの製品カテゴリは、ファッション(63%)、電化製品(45%)、および日用品・食品(41%)でした。
ファッションが最も購入される理由は、インドネシア人がイードアルフィトルを歓迎するために新しい服を購入する習慣があるためです。
■Jurnal「Melihat Prospek Bisnis saat Krisis di Tengah Ramadan dan Lebaran」2018年5月22日
■Janio「WHEN DO INDONESIA’S HOTTEST ECOMMERCE SALES TAKE PLACE?」
期間:12月12日とその前後
Hari Belanja Online Nasional(以下「Harbolnas」)は、Lazada、Zalora、BerryBenka、PinkEmma、Bilna、Traveloka、Luxola、Persebaya Storeなどのeコマースプラットフォームによって立ち上げられたオンラインショッピングイベントの日です。
中国の「独身の日(11.11)」にならい、「12.12.12」にちなんだ2012年12月12日に最初に開催されて以降、現在まで毎年続いています。
NielsenIQの調査結果によると、2021年のHarbolnasでは取引額が18.1兆ルピアに達し、インドネシアのEコマース協会(idEA)が設定した目標である13兆ルピアを大きく上回りました。
なお、IDX Channelの記事では、Harbolnasがインドネシアの経済に与える影響として以下のように述べられています。
まず、人々の購買力を高めます。
第二に、MSME(Micro Small & Medium Enterprises)のデジタル化を奨励します。
第三に、地元の製品の競争力を促進します。
そして第四に、経済成長を支援します。
一部のECプラットフォームは、設立記念日にセールを開催します。普段のキャンペーンと同様に、多くのアイテムの割引やプレゼント企画など、さまざまなプロモーションが行われ、出店業者にとっては、売り上げを伸ばす大きなチャンスです。
例としては、3月27日に開催されるLazadaバースデーフェスティバルがあります。他にも、インドネシア独立記念日と一致する8月17日に開催されるTokopedia Anniversaryがあります。
2021年8月のTokopedia Anniversaryでは「特別インドネシアショッピングタイム(WIB)」と銘打ち、Tokopediaの12周年を記念したさまざまなキャンペーンが実施されました。結果、前年同期と比べて取引件数が平均26倍に増加しました。
その後9月に実施されたTokopedia x BTS 12th Anniversary Edition限定フォトカードプレゼントキャンペーンという、買い物客が特別なクーポンを使用して買い物をすると、Tokopediaアンバサダーを務めるBTSの限定フォトカードを抽選で入手できるキャンペーンが行われました。
ユーザーが購入画面で入力できるコードを発行します。プラットフォーム全体、商品カテゴリごと、各ストア・ブランドそれぞれのクーポンがあります。Janioの記事によると、オンライン商戦では、一括割引の適用金額が低くなったり、割引率が高くなったりする傾向があると述べられています。
在庫一掃セールだけでなく、目玉となりうる新商品にも大幅割引が適用されます。
フラッシュセールは短時間のみ、セール割引よりも更に値下げされます。各ストア・ブランドのページまたはライブショッピング中に見つけることができます。
■tirto.id「Sejarah Harbolnas 12.12 dan Perayaan Belanja Online di Dunia」2021年12月11日
■KONTAN「Harbolnas Berhasil Mencatatkan Nilai Transaksi Sekitar Rp 18,1 Triliun」2021年12月17日
■IDX Channel「Ini Pengaruh Harbolnas Terhadap Perekonomian Digital Nasional」2021年12月12日
■KONTAN「Dorong Kenaikan Transaksi Penjual Hingga 26 Kali Lipat, Tokopedia Kembali Hadirkan Program BTS Photocard」2021年12月8日
アドテクノロジー企業The Trade Deskによる2021年のレポートによると、インドネシア人のオンラインショッピングユーザーの64%は、普段は「計画的である」と自負しています。しかし、特にセールシーズン中は、「計画的」なユーザーも一部「衝動的」になるそう。「計画的」なユーザーのうち42%は、セールシーズンでの支出が増えることを認めています。
また、52%のユーザーが、Harbolnasを含むオンラインセールシーズンで新しいブランドを調べることに興味があると回答しています。
マーケターにとっては、認知度アップの戦略を練りがいのある時期とも言えるでしょう。
■The Trade Desk「2021 Indonesia Online Shopping Festivals Trends Report – The Trade Desk」
年末年始のセールシーズンはどこの国でも一般的ですが、特定の国にのみ存在するシーズンもあります。インドネシアに関しては、注目すべき時期はラマダンセールとHarbolnasです。
セールシーズンは国の経済への影響が大きい一方で、売り手にも有益です。売り上げを伸ばすために、セールシーズンのタイミングや売り上げから目を離さないことが重要だと思います。
インドネシアのセールシーズンの戦略を計画することに興味がある方、お気軽にクリスク・インドネシアにご相談ください!
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(執筆:Tania Paramita 編集:クリスク海外事業部)