世界は9月! なぜ日本は4月に新学期がスタートする?

通信制高校

2022/03/21

4月のこの時期といえば、日本全国のあらゆる学校で新学期が始まっている時期ですね。
ところで、学校はな4月に始まるのでしょう?

学生の頃は「当たり前」だと特に気にしていなかったその理由。意外に知らない人が多いのではないでしょうか。

4月に新学期が始まるようになったのはいつから?

さかのぼること江戸時代。子どもたちの学びの場所となっていた寺子屋、藩校、私塾、などは、入学時期は決まっておらず、いつでも入学できたそうです。

その後、明治維新によって日本に西洋化がもたらさらました。こうして明治時代のはじめころから、西洋にならって9月入学が主流になったようです。

さらに西洋に追いつけ追いこせと、国の経済力や軍事力を高めようとする富国強兵政策の影響から、政府の会計年度が4~3月になったことや、軍隊の入隊届開始が4月になったことによって、小学校や師範学校の入学時期も4月へと変わっていきました。

大正時代に入ると、高校や大学も政府の方針により4月入学になり、やがて4月入学が定着していったのです。

教育になんらかの関係があるというよりは、国の事情によって4月になったようですね。

ほかの国の新学期はいつ頃?

外務省などのデータを参考に世界各国の情報を調べてみると、とくに集中しているのは9月スタート。どうやら、世界のスタンダードはこちらのようです。


※地域、学校によって差がある場合もあります。

ちなみに、日本のインターナショナルスクールは、芸能人の子どもが通っている場合も多いですが、本来は日本に住む外国人の子どもが学ぶ場所。
将来的には、海外の大学を目指す人が多いこともあって、入学時期がズレないよう秋にはじまる学校が多くなっています

世界に合わせて日本の学校も秋スタートがいいのでは?

日本の学校が秋スタートになると、多くの国とサイクルが同じになるので、海外からの留学生を受け入れやすくなったり、逆に日本からも海外へ留学しやすくなったりといったメリットが出てきます。

ただ、現状では国家試験の多くや司法試験などが、春の卒業を前提として日程を組んでいること、同じように就職活動の時期も春卒業の生徒を前提に考えられていることなどの問題点があり、なかなか「せーの!」で秋入学に変更するのは難しいようです。

こうした事情もあって、2015年度から秋入学制度の導入を検討していた東京大学も一旦見送りとなりました。

4月の入学に間に合わない、秋入学がしたい、そんな人はどうする?

心や体調の問題、家庭の事情など、さまざまな理由から、みんなと一緒にスタートを切れない人もいるはず。そんな人はどうしたらいいのでしょうか?

小中学校であれば、途中からの入学も可能な場合が多いでしょう。また、大学や専門学校の場合、秋入学を採用しているところも多いようですが、この場合秋卒となる可能性も高いので、注意が必要です。

なお高校の場合は、インターナショナルスクールが9月入学。
そのほか、通信制高校では4月や9月だけではなく、様々なタイミングで入学できる学校が多いため、近年入学者が増えています。

なぜ通信制高校は4月入学でなくても大丈夫なのかというと、単位制という仕組みを利用している学校がほとんどだから。

簡単に言うと、よくある日本の高校で採用されている学年制の場合は、1・2・3学年と分かれて勉強し、学年の終わりに単位を取得する仕組みです。
一方、単位制の場合は、学年の枠がなく、必要な単位を取れば卒業できるので、留年もないし入学時期を4月にこだわる必要もないのです

まとめ

「桜が咲くころといえば新学期」というのは、日本独特の風習なんですね。

しかし今後、世界進出を目指す生徒や、働きながら・自分のやりたいことに打ち込みながら高校を卒業したいという生徒も増えてくるだろう中で、融通の効きやすい通信制高校の利用がますます広まっていくのではないでしょうか。

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この記事を書いたのは

通信制高校ナビ編集部